盆
踊る人もあっただろう、見て楽しんだ人もあっただろう。
俺はゲロを吐きながら腹を空かしていた。
貧乏人は働くしかないのだ。
石川の野郎は「働けど働けど我が暮らしうんたら」などとぬかし、
格好を付けながら夏目先生に繰り返し金の無心をした。
芥川兄さんは石川をどう見ていたのだろう?
先生は穴の空いた胃から落花生をポロポロ落とすばかり。
しかし野郎は俺に決定的に欠けているモノを持っている。
そして若い。
治ちゃんも似たモノを持っているかもしれない。
俺は書より、街より、捨てなければならない物を持ちすぎている。
フューチャーイズなう。
泣き言に中指を立てて旨い肉を食おう。