-kemurikikaku-

ママチャリに乗った小っちゃいオッサンの日記

「スーパーの女」を見た

 

ずっと見よう見ようと息巻いておったんですが、本当見て良かった。

強い女と弱い男の物語。

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スーパーマーケットが大好きな主婦が幼馴染みの経営するスーパーを

立て直していくサクセスストーリー。

 

1996年公開作品。

自分たちの知ってる世界なんてどのみちいつも世知辛いもの。

そんな世界で卑屈にならず、たくましく生き抜き勝ち残ってやろうという

サクセスストーリーでいて奮闘記な内容。

 

 

見てて最初に感じたのが、強い女を可愛く見せるのが本当に上手い。

ただ強いだけ、

こまっしゃくれただけ、

正論を突きつけて来るだけでなく、

協力的で、

頭が良くて、

弱い男の嫉妬や見栄を許す快活さ。

愛される人ってこういう人なのかと思わず唸る。 

 

 

ちなみに主演の宮本信子さんは監督の奥さん。

嫁の事を知り尽くしてて「すげー好きなんだろうな〜」と思わされます。 

 

 

基本的にテンションの高い構成でエンターテイメントしてるんですが、

日本独特の陰湿な女性蔑視や男尊女卑にも触れる事で女の強さを知る。

タフなストーリーは貧民街を生き抜く物語のような力強さや、切なさが垣間見える

自分が最近感じていたり、漠然と悩んでる事の答えが映画にはよく現れる。

人の悩みなんて普遍的なものなのかもしれないけど、

もうちょっとだけ「頑張ろうかな」なんてな事を思わせてくれる。

 

 

ある映画監督が「映画は(人生において)義務教育になるかどうか」と言っていた。

各々が「見といた方が良いか、見る必要が無いか」という事だけで、

「映画なんか無くても生きてけるのに、面白いとか面白くないとかそんな事じゃないんだ」と。

今回まさに勉強になって、なるほどな〜と心底得心。

 

 

当時の伊丹十三監督は背水の陣でこの作品にのぞんだらしいが、

人間の真価は人生の底辺にあるなと、もうずっと思わされ続けている。

 

 

 

 個人的にグッときた台詞で〆

スーパーって結局お客様ね。卵騒動でお客様に頭を下げ続けて、

私つくづくお客様の恐ろしさを思い知ったわ。

見てごらんよ。この街の中に何万人て人が生活してる。

みんな稼ぎは決まってる。

その稼ぎの中で少しでも良い暮らしをしようとしてる。

だからお客様真剣よ。

スーパーに来て少しでも良い物を、少しでも安く買おうとする。

その期待に応えられるスーパーは生き残る。

答えられないスーパーは滅びていくのよ。

やるだけの事やろう。最後は正直屋(スーパーの名前)のお葬式になるかもしれないけど、

やるだけの事やれば最後は晴れやかな顔していられるよ。

 

 

映画って、ほんっとに良いもんですね^^