「ハッスル&フロウ」を見た
ラジオでライムスターの宇多丸氏がお勧めしていた逸品。
メンフィスに住むDジェイはドラッグを捌き、3人の娼婦を抱えて売春の斡旋で身を立てていたが、自分の人生に強い不満を抱いていた。ある日、小さなキーボードを手に入れたことから、以前はラッパーになることを夢見ていたことを思い出す。
荒んだ街で救いの無い最底辺の生活を送る主人公達。
そこかしこに転がる絶望を、見て見ぬ振りする事にも慣れてしまった男がもう一度奮起する。
このブログで何度も書いてる人生の窮地における人間の底力みたいな話。
どん底からの再起みたいな事が描かれていて、尚かつちゃんと映画として起伏している。
本編に登場するラップの歌詞が日本語訳で字幕に出るんですが
和訳がちゃんと韻を踏んでて、音楽に合わせて一緒にラップできるのが面白かったw
当然一緒にラッピンして、テンションも一緒に上がるという。やられた。
セッションを繰り返して曲を作る過程のシーンは見てる側もワクワクします。
個人的にグッときたポイントで、
作品作りに参加する登場人物はいずれも優れた能力を持ちながらも、
普段は日の当たらない場所で、(言い方は悪いが)誰がやっても同じような仕事をしてたりする。
そういう音楽以外の、普通の生活部分に胸を打たれる物があった。
「現実もこういう人ばっかりだよな〜」っていうか。
リアリズムであり、啓蒙的、隠喩的なメッセージでもあると思えるシーンの数々。
自分と仲間を信じて最後までやれる事をやる。
こんな尊い行為は無いと、改めて感じさせられる映画だった。