-kemurikikaku-

ママチャリで駆けずり回る小っちゃいオッサンの日記

志人考

 

11月に入っても、先月見た志人さんのライブが頭に引っかかっていた。

氏のライブは見る度に変化していく。

結論としては「次はどーなる?」なんですが、少しだけ、前に見たライブを分解してみる。

 

とりあえず「いいか?よく聞け〜?」の言い方は、金八先生のモノマネだと思う。

 

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今回はちょっとたっぷりめに、自分メモという事で書かせて貰ってます。

 

2010年9月3日 スガダイロー vs 志人(降神) - YouTube

早いもので4年前。

この頃が随分昔に思える程、違う表現をしていた。

 

 

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先月見たライブは結果的にDOWN SHOT RIGが目当てになったけれど、

元はイベントを取り仕切るhinemosの野口君に

「また志人さんのライブがあるよ」と教えて貰ったから来たのであって

自分自身、氏に受けた影響は隠せるものではない。

 二十歳そこそこの頃に初めて彼のラップを聞いた時、

求めてた1つの答えみたいなモノを感じて心を揺さぶられた。

 

 

 

今回のライブを見た人がどういう感想を持ったかは分からない。

自分は瞬間的に判断出来るモノじゃないなと思い、

開始後すぐにレコーダーを回し、今改めて聞き直しながらコレを書いている。

 

 

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  • ライブ時の会場の様子

 

 

やたらとお客さんの雑談が聞こえる。

場内はざわついていた。

主観としては多分、また新しい志人がそこにいたからだと思う。

 

 

あくまでも超・個人的に感じた"現場の反応"は

「あー、またそっち側に行ったんだ」という風な、少しネガティブなものだった。

しかし最前列で首を振り拳をかかげたヘッズも勿論いる。

僕は数年前にフジロックで見たザ・ブルーハーブのライブをなんとなく重ね合わせていた。

絶妙なタイミングで「キチガイと思うなら思えばいい」という言葉が投げかけられる辺り、

計算づくの挑戦と、挑発が繰り返し行われているように見えた。 

 

 

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志人氏は昨今、集落(?)での生活をしながら自給自足のような暮らしをしていると、

何かで目にした覚えがある。

 

 

今回のライブで用意されていた歌詞は冒頭、

その集落での生活、おそらく第一次産業林業に携わってる人間にのみ配られている

毎月の報告書のような紙を手に、それを音読していたと思う。

 

 

音読の中で実在するかは謎だけど、

一緒に働いている仲間の名前や、言動を再現するような口調と訛りでもって、

躍動するスリリングなジャズに彼の日常にある"リアル"な言葉を乗せていく。

 

 

この時点で呆気に取られる者、わざとのような大声で再会を祝す者、

聞き入ってる者、なんとか新しい志人を理解しようとしている者と様々。

  

 

志人はさらにポリティカルなメッセージで観客を煽るようなムードを作る。

 

 

戦争反対か?

天皇万歳か?

現状安泰か?

大麻解禁か?

そんな安直なものでは語れないんだよ世界ってやつは!

 

 

志人は分かりやすいプロパガンダワードを並べ、

さらに大麻を糾弾するラップでヒップホップなイベント会場を沸かす。

「自分は吸わない」とラップする人は聞いた事があるけど、

モノ自体を真っ向否定するラップは初めて聞いた気がしてガツンと来た。

志人も昔はそれらのモノに傾倒していた事をほのめかすラップを続けたが、

今はもう完全にクリーンになって「そういうんじゃない」って感じなのかもしれない。

なにせ「そんなものより君の頭の中にはヤバいのが詰まってる」のだから。

 

 

誰かが言わないといけないとも思うし、ある種の隙間だとも思う。

あのMethod Man(メソッドマン)ですら子供の為に大麻はやめたと打ち明けてましたからね!  

 

 

〜〜〜〜

 

 

  •  言葉の力

 

これまでも志人の放ってきた沢山の言葉にはドキドキさせられて来た。 

それは「言葉の力」だと思うし、ラッパーにとって一番大事な能力だとも思っている。

 

 

 

この日の志人はゆっくりとした口調で

大概になるなよ

と、何度も繰り返していた。

ここでいう「大概」とは「ありふれてる、一般的な」という意味が妥当かと思う。

 

 

なぜ、今になって彼のように非凡な男がこんな発言をしだしたのか?

少なくとも彼の音楽を聴いてるリスナーのほとんどが「大概」になる事に

ポジティブなイメージを持ってない気がしたからだ。

ファンやフォロワーも自身を解放せよという意味なのかもしれないし、

彼の中で通念的なメッセージなのかもしれない。

 

 

 

生きたければ生きろ、死にたければ死ね!

と、少しもののけ姫を感じる雰囲気。

ずっと志人を聞いてきた人は"笑顔の紳士"みたいなイメージが先行している彼の

ここまで攻撃的な言葉に面食らったのではないだろうか。

 

 

さらに、

ラブ&ピースだけでは計れない世の中

ファック&ディスして自分の立ち位置を知れ

どの村や、どんな平和そうに見えるコミューンでさえ社会はある

とラブ&ピースだけじゃ生きていけないんだという事を訴える志人。  

2014年の現実を直視した者のみが語り得る言葉かもしれない。 

  

 

 

 

ここまで聞いて、これはライブという範疇にありながら、

キング牧師がスピーチで韻を踏んで印象づける話し方をした、

そういう表現にも近いのではないか?と、自分なりに納得した。

 

 

また、録音を注意深く聞いていくと発音や言葉選びの隅々で、

僕が打ちのめされた「言葉の力」が根底は変わらず、さらなる進化をしていると気付く。

 

楽しい授業、興味深い授業をする先生の、ちょっと難しい話。

そういうニュアンスが自分にはシックリ来るなと思った。

 

 

「みんなでもっと広い視野、見識を持って世界標準でいろんな事を考えてみよう」

という彼なりの考えを言葉にしたヒップホップだと認識したのだ。

 

 

 

とかなんとか、馬鹿のくせに小難しく頭をひねった頃に、

どうした?そんな真剣になるな^^

と、太陽みたいなイケメンスマイルで言ってみせる。 

気付けば翻弄されている・・笑

 

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  • 結論

無駄に大仰ですが、最初に申し上げました通り「この後どーなる?」 なんです。

 

 

彼が今やってるのはとても原始的な音楽なんじゃないだろうか。

大昔、ご先祖様が穴ぼこに住み、それぞれの土地に根ざした言葉を喋り、

おおいに語り、中に太鼓を叩く者が現れると、そこに言葉を混ぜる者が現れた。

言葉を操る人達を神や宣教師のようにあがめ、宗教が生まれたような。

そういう時代の、音楽誕生の瞬間のような表現に思えた。

 

そこまでさかのぼらなくても、民話伝承としての音楽に近い。 

それは詩のある音楽の目的、ルーツの一つでもあると言えるし、

自分の言葉で表現する事にも繋がっていく。 

この先も彼がどこまで志人という人間を展開するのかが楽しみだ。

 

 

※敬称略

詩種

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