-kemurikikaku-

ママチャリに乗った小っちゃいオッサンの日記

太眉を見て思うこと

 

ある日、最近流行りの太眉に濃い目のメイクのお客さんが来た。

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「こんなテンプレみたいな子がホンマにいんのか」と新鮮さと驚き。

なんかこう、タレントを見たような気持ちになった。

若い子が流行に乗り込む姿は見るからに若々しく見てても楽しい。

 

 

最近、自分が青年まっただ中の頃から流行がガラッと変わったなと、よく感じます。 

 

眉毛だけで言えば、自分の時代はどんどん細くなった時代だった。

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安室奈美恵が線のような眉毛にして、女性はこぞって同じようにしていた。

今見ると、なかなか、なかなかである。

でも当時はそれが新しかったし、魅力的だったのだ。

 

男の自分も80年代のような野暮な太眉より、細い眉毛が魅力的に見えていたのを覚えている。

なぜ覚えているのか?よく見ていたからであります。

女性の流行に男が一番シッカリ触れるのは、同級生や同僚、恋人よりAVだと思う。

AVはとにかく誇張の世界なので、より流行を拡大して見せられ、刷り込まれて行く。

AVも当時は眉毛は細くなり、ギャル文化もドンドン流入していた事が記憶に刻まれている。

 

その頃はヴィジュアル系バンドの台頭により、男もみんな眉毛が細かった。

ファッション誌にGLAYやL'Arc-en-Cielのメンバー風"眉毛の型紙"が付いてたりもした。

現在、男の眉毛も太くなってるかは知らないけど、良しとされる眉毛は今もあると思うのだ。

 

そうやって文化を振り返る時「自分はもう若くないのかな」と、嫌な気持ちにさせられる。

太眉を見て、昔は自分の中に沢山あった「流行なんざ知らねーよ!」という気持ちもなく、

「世間を気にせず、流行を知らないオレ格好良い」もわき上がってこない。

自然に流行がわからない上に、関心が無くなってしまってるのだ。

 

枯れた感じを装いたいんじゃなくて、流行を知ってもなんというか気持ちが乗らない。 

昔なら元気に噛み付いたりしてたのに今は「ふーん」くらいの感想も、下手したら無い。

で、こんな事から少しづつ、感性みたいな部分が枯れていっちゃうんだと思う。

今はそれが嫌で、無理にでも調べて、頭には残すようにしている。

そう考えると昔は一応、無意識に流行を目で追う事はしていた事にも気付いた。

 

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最近意識的に流行を目で追っていて、気付いた事がある。 

「流行について行きたい」

という考え方にずっとアンチを掲げて生きてきた反動か、少し虚しい。

要するに、今の太眉を含む流行は自分が戦って来た流行ではないのだ。

 

自分の知ってる、または対抗みたいな事をしてきた

実態の無い「流行」というモノが知らぬ間にどこかに消えていて、

今ではどんな流行に当時の自分が抗っていたのかさえ思い出せない。

 

そして現在、全く未知の、新しい「流行」が目の前に現れて

戦っていた敵がもう存在しない事を知ってしまった時に

壁に向かって喋ってたのに気付いたような感じがしている。

 

多分、抗っていた流行の流れから自分ではみ出たのに、

ここにきて、置いてかれるような気がして嫌なのかな。

これもまた新鮮と驚きです。

 

 

全然違う話なんだけど、

「30代の女性は突然ジャニーズにハマる事がある」

という話を何度か聞いた事があるのですが、

一様に「なんの興味も無かった」と言ってた人ほど、らしい。

 

ジャニーズの人もテレビを見てたら流行と一緒に流れてくる事から、

自分が敵対視するように抗って来たモノとは、全く違うモノだと気付いたからかな?

とも思ったとさ。