脳内ツアー - -kemurikikaku-

長

５００円で買ったクラシックギターの弦を張り替えた。

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指盤とフレットの汚れ、ネックの反り方が並でない。

８フレット以降、触る事を断念させる魔界の構造が自称ミュージシャンを殺す。(中２)

買った時を思い出すと風景が広がるギターで、５年くらい前の２月、友達と遊びにいった時に寄った、奈良のリサイクルショップで見つけた。

広大な敷地に余裕のある駐車場があって、国道の影響で２店舗に分断されている大きな店。

一方通行の狭い車道で隔てた２店は、ブランド物の服や貴金属を売る店と、雑多な商品を一手に扱う店に分かれていた。

雑多側の店舗では、玄関口にも商品を展開しており、そこには大っ量〜！のCDとLPの山ができていた。

山間をザックリ切り分けたような、風が吹き抜ける場所で車道のすぐ側にあるから、商品は埃まみれで一部は見れたもんじゃないのだけど、見てしまう。全て１００円だったように記憶している。

すぐ側に電車も通っていて、時たま聞こえる踏切の音、電車が通るたびの地響き、車体が揺れてゴーガタガタと鳴る音は最初こそ快感だったけど、３回目からは不快でしかなかった。

吹きさらしの玄関に置かれてしまうCD達とは違い、暖かい店内に置かれる事が許されたCDは確かな品揃えで、かつ自分にとっては素晴らしい値段で取引がされていたこともありお世話になった。

ママチャリしか持っていない自分に、奈良のリサイクルショップはたまにしか来ないチャンスで、何を買おうか真剣に迷っていた時間は解放されるような幸せがあった。

ライフルなどのエアガンが置いてるコーナーには、まだテレビに取り上げられる前、アンダーグラウンド最新の闇だった頃の脱法ハーブがシレッと売られていたり、おかしな店で面白かった。

寒風の中、指で押さえるネックと、弦をクルクル巻き付けておくヘッドの間に紐がくくられていて、首吊り状態でこのギターとは出会った。

教科書で見た、木に吊るされ処刑される黒人のような陰惨な風景。思わず吹き出すほど可哀想に見えて、値札を見ると５００円とあるので買って帰る事に。

買う前に弾いて分かっていたけど、とても使えるものではない。修理するかはさておき、家に転がしておいて、気がむくと弾いていた。

後ろでマジカルミステリーツアーを流しながら、鈴木耀聖さんを思い出している。

ギタープレイの研究のしすぎで腕を負傷、一時はギターが弾けなくなって、それでもフォーム改良して弾いていたギター好き。

続いて、クロエさんという、ギターの変則チューニングについて、ビッシリ論じれてしまう、エゲツないギター好きを思い出している。

2人のことを思い出しながらギターを黙々といじる。

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こんな曲が書きたくなったら夢見心地だろうな。

ビートルズがアンダーソン・パックへ。