-kemurikikaku-

ママチャリで駆けずり回る小っちゃいオッサンの日記

特別お題「青春の一冊」

 

 

 

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
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太宰治人間失格」が青春の一冊。

 

著者の自伝的小説と言われている。

 

 

 

まともに本を読んだことがなかった自分でもタイトルは知っていたし、「太宰治  人間失格」の字面と言葉の響きにのみ、とても興味を持っていた。

 

「ザ ・ビートルズ / レットイットビー」などと同じアイコンへの興味だったと思う。

 

 

 

 

昔やっていたバンドのホームページでお勧めの品を紹介するコーナーを作った時にも「人間失格」を紹介した。

 

その文章の一部を抜粋すると

 

この作品に登場する数名のキャラクターはひどく快活な動きを見せてくれる。その一挙手一投足の細やかな動きを著者は見逃さず描写して、読み手に舞台を見に来たような臨場感を与えてくれる。 


終幕の痛烈な程あっさりした雰囲気には、本当の虚無を感じざるを得ない。 
痛快と書くと少なからず語弊があるが、ここまでやられると、 
「笑ってやって下さい」 
と言われているような気もする。転がるようなテンポで過ぎ去って行く無常がなんともシュールに、しかし現実の極地のような世界観で創作された心に迫る一作だ。

 

とある。

 

めっちゃ好きやん。

 

沢山の言葉を使って賛辞を送っている。

 

本を読んでこなかった自分でも共感できたことが、成功体験のようで誇らしかったのだろう。

 

 

 

 

今の私ならこう書く。

 

主人公・大庭葉蔵(おおばようぞう)はいつもメソメソして「俺ぁダメだぁ・・」と嘆き、人に気を遣い過ぎて世を拗ねている。

 

根っからのボンボン気質で甘ったれの葉蔵は、周りの人達の助けでなんとか息をしてるような状態。

 

ナルシシズムと自己嫌悪に浸り、上手くいかない日々を自殺でご破算にしようとする物語。

 

 

今はそう思っている。

 

そんな話と違うと思うよ。

 

 

 

 

 

人間失格」は生まれて初めて2回通して読んだ本。

 

以来、面白かった本は読み返す癖がついて、みるみる読書にハマっていった。

 

 

 

カバーや表紙は破れ、しおりはちぎれ、文字通り手垢の付くまで何度も読み返した。

 

若者が少しタチの悪い変容を遂げる思春期に出会う確率の高い本で、「まるで自分のことのようだ!」というお定まりの共感にやられ、「痛い奴」になってしまう読者が毎年あとを絶たない呪いの書でもある。

 

 

 

 

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世の中に冷めた事なんてないくせに、妙に斜に構えて生き始めた頃に友達がくれた。

 

彼は「理解できなかった」と正直に言った。

 

私は何も考えずに「自分は理解できる気がする」と感じていた。

 

今思うとたまたま関心があったからにすぎない。

 

友達は「馬鹿のくせに格好付けてるお前はダサいよ」という意味でこの本をくれたのかもしれない。

 

 

 

 

 

最初は難しい言葉や、難読漢字を覚えて悦に浸るだけだったのが、読み返していく内に読解力がつき、文系が生涯追い続ける「筆者の気持ち」を捉えようともがいた。

 

ほんの少しでも共感できる箇所を見つけては、「自分も同じだ」と「選ばれてあることの恍惚と不安」を無理矢理に重ね合わせた。

 

自虐やナルシシズムは、出会ってすぐに仲良くなれた友達のような安心感で私を沼に引きずり込んでいく。

 

が、それはまた別のお話。

 

 

 

 

「格好付け」でしかなかった読書がいつの間にか趣味になり、電車やバスで、友達を待つ駅のホームで、文庫本を漫画のように貪り、読み進めるのが楽しくて仕方なかった。

 

読み終えた後、充足感の中で煙草の煙が真っ直ぐ立ち上っていることも重要だった気がする。

 

その後も繰り返し読みふけった本は何冊かあったけど、「人間失格」ほど読み返した本はない。 

 

 

 

 

青春時代の一冊をぶち壊しにする、価値観がひっくり返るような本に出会いたいと思っている。

 

本当に読書が好きな人はいつでもそんな本に出会える。

 

 

 

 

人間失格

人間失格

 
人間失格 (1952年) (新潮文庫〈第443〉)

人間失格 (1952年) (新潮文庫〈第443〉)

 
直筆で読む「人間失格」 (集英社新書 ビジュアル版 11V)

直筆で読む「人間失格」 (集英社新書 ビジュアル版 11V)

 

 

 

  

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