参拝から夜景まで
ふくらはぎが痛い。
しかしそれも心地よく、みんなと山登りをした思い出を脳に刻み込んでいる。
集団行動が苦手な筈なのに、気づけば、たまの休みに集まるこの瞬間を待ち遠しく感じている。
7人分の足音が小学生の頃の遠足を思い出す。
ざくざく、ぎゅっぎゅっ。
ネットで調べたほど過酷でもなかった山道を登る。
自然に触れて清々しい気持ち。
誰が最初に始めたのか、山ですれ違う人たちと「こんにちは」の挨拶を交わし続ける。
杖をつき、たすきに着いた鈴の音、沢の音を聞く。
下山したら湧き水を飲んで、お参り。
近くに沢山ある古墳を巡る。
もっと年をとってからも出来ることを今の感覚で触れていく。
奈良には独自の飲食店が沢山あった。
フジエダハウスもそんなレストラン。
道中、初めて「奈良健康ランド」を目にしてテンションがあがる。
子供の頃CMを見た時から既に古い感じがしてたけど、いつからあるんだろう。
お腹を満たした後、満足げに珈琲を飲みながら「くらがり峠」と呼ばれる場所を通って帰ることに決まった。
いわゆる酷道を走り、途中から車を降りて、まさに暗闇の広がる峠道を歩くと、頂上には見たことの無い規模の夜景が広がっていて全員から歓喜の声を徴収した。
心の栄養を充填。
いざ、それぞれの生活へ。