赤い朝
早朝の空が赤かった。
何事かと窓に手をかけたが、「いや、見たことがあるぞ」と思う。
ベランダに出ると赤い。やっぱり見たこともある。
町も赤くなっていて妙に嬉しかった。
夏の夕方や、90年代の単館系映画でも、この色のシーンをよく見た気がする。
実際にこんな空を待って撮影したのかもと思うと、そうなんやぁって思うくらい。
静まり返っている中での赤い空は新鮮。
デカいカエルが猫に虐められていた。
猫を追い払ってやろうとすると、カエルは逆に猫の方へジャンプを繰り返す。
しかし猫も、カエルがジャンプして来た所でちょっと後ずさるだけ。
いつか殺されるだろうと思い、通り掛かりの大きなお世話で猫を追い払う。
非常に好戦的な気の強いカエルだった。
カエルは追い払われた猫の方にまだジャンプを続ける。
どんな気持ちなんだろう。
デカいカエルの存在感は良いな。
赤ぇ。