地盤沈下する日
ごく稀に時間に余裕を持ってライブに到着する日が来る。
今日は春の日差しが天王寺へ誘った。
一人一人遊んでる友達が集まってきた。
最高気温が20度になったこの日、会場の空気はゴミ箱ベーシストのナランチャが個人の体温をさらに上昇させた。
味わい深い歪み。
ブレることのできない神経過敏なステージ。
狂ったようにまっすぐ曲がっている。
ディジュリドゥ、ノイズアーティスト、もう1台のゴミ箱ベース、ピアノとバンジョー、様々なアーティストを招いて行われたライブ。
ことにディジュリドゥとの相性の良さは素晴らしかった。
ナランチャと初めて出会った10年以上前、彼はディジュリドゥを吹いていたことを思い出した。
孤高の立場から見える景色の再現に遠い羨望を見た俺は今もブレ続けている。
うっかり希死念慮を少しだけ刺激された最高のライブだった。
なんだか帰りたくなくて天王寺をブラつく。
古着屋で見つけた紫色のスエード地ドクターマーチンを買って帰る。
もっと図太く生きてやろう。
うざいのん、全部どうでもええわと言い切れ。