豆腐代頭
マッキー on ミスフィッツ。
かつて映画評論家の淀川長治さんが映画「荒馬と女」の原題「ミスフィッツ」を、「食い違い」という言葉で訳していた。マッキーにはわるいけど、勝手にその通りだなぁと思ったりした。どっちも好きやで。
大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」を見た。有名なシーンはとてもパンチが効いていた。映像の質感なのか、光量というのか、とても不気味に心へひっかかるシーンがいくつかあった。ビートたけしさんの笑ってるシーンはどれも不思議な、奇怪な、なんとも言えない良さが溢れていた。内容は普通の映画よりも、1回見ただけでは、という感じだった。
2人は撮影中、「俺たちは畑違いなんだから、演技のことで怒鳴られたら帰ってやろう」と決めていたらしく、その空気を察したのか、大島渚監督も怒りたいけど怒れず、となりにいた役者を怒鳴りつけたりしてたとか。坂本龍一さんはセリフを一切覚えて行かず、当然カンペが用意されると思っていたらしい。
裕也さんも出演。
生まれる1年前の公開作品。どこまでも想像の中の昭和が渦巻く映画。この頃の昭和を生きた人の何かが、画面中を暴れまわっている。
80年代の日本映画を見てると、公開当時の日本、この頃の日本、ほんま気になるねんわ。80年代に暮らしてみたくなるんや。なんでや。タイムマシンが出来たとて、実生活や悲喜交々をリアルには体感できないだろう羨望の景色。憧憬は過去にある事が多い。考えるのも飽きたけど、俺はなんでこんなに。なにをそんなに。
絶対今の方が便利やし、なにかと自分に都合が良くできてる。それは絶対である。だけんど磁力みたいに抗う事ができない。この時代の映画、CM、テレビ番組に映る景色。宿命みたいに強烈に惹きつけられてしまう。単なる無い物ねだりなのか。
戦場のメリークリスマス-30th Anniversary Edition- SHMCD
- アーティスト: 坂本龍一
- 出版社/メーカー: ミディ
- 発売日: 2013/11/27
- メディア: CD
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