「トゥパック:レザレクション」を見た
前回はビギーの生涯を見たのでこんな機会にトゥパックの生涯も見ておく。
若くして才能を認められたが、ラッパー同士の抗争の渦中におり25歳で凶弾に倒れる。
友人のマイク・タイソンの試合を観戦後、停車中の車に横付けしたキャデラックからの銃弾発を体に浴びて死亡。
という死に様、語られ方からして星のもと、漫画の主要キャラという感じ。
前に見た「ノトーリアス・B.I.G.」では俳優が演技をしてたのでてっきりコレも、と思ってたら
コチラは実際に本人に行われたインタヴューをまとめたドキュメンタリーに仕上がっていた。
非常に見応えがあり、彼の肉声や純真そうな瞳には動かされるものが確かに宿っていた。
「ノトーリアス・B.I.G.」を見た - -kemurikikaku- 煙企画とは?
2パックはノトーリアス・B.I.G.通称ビギーと仲違いして先ほどの抗争に発展。
ビギー側はずっと2パックの誤解を主張して来たが
彼は勝手に火のついた無関係の輩に殺されてしまう。
最後まで和解が出来なかった悲しみにくれるビギーも
翌年24歳の若さで何ものかに射殺される。
この事件はどちらも未だに犯人が見つかっていないんだとか。
2人の抗争をきっかけにアメリカの人々は命の尊さや、争いの虚しさを知ったという。
若いアーティストが命をかけて教える事になったのは
まさにスパイク・リーの「Do the right thing」の様な暴力で失うモノの大きさだろう。
同時に‘‘beef(ビーフ)’’と呼ばれるラッパー同士の争いにも拍車をかける事に。
映画はまず、彼の人生が壮絶の極みにあった事を象徴する序章として、
黒人民族主義と解放を訴えるブラックパンサー党員の母親と、革命家の父親を持ち、獄中に入れられた母親の胎内で出生を待っていたのがトゥパック
と説明してくれる。
もはやケンコバのギャグみたいなレベルなのですが、
その後の彼を取り巻く環境もまた慌ただしい。
元々物静かな少年は高校を退学してから本格的に音楽の道へのめり込む。
途中ギャングや売人といった道を通過後、スター性がプロに認められステージへ。
このドキュメンタリーを見ていて救われる瞬間は、彼がアーティストや詩人として、
リスナーや大人達からの評価を受け、一部から芸術として慕われていたという事実。
ラップに使われる様々な言い回しは言葉を進化させるし、
言葉の面白さや 、行動を凌駕するそのパワーは時折コチラをドキッとさせくれる。
いわゆる「サグ」という映画の中で「悪人」と翻訳される暴力的なキャラの部分だけでなく、
本質的な芸術の部分でシッカリと評価されてる人物だというのが分かったのは収穫でした。
アーティストは伝記物を生きてる内に出して欲しい派です。