-kemurikikaku-

ママチャリに乗った小っちゃいオッサンの日記

どうにかなる日々

 

突然、目の前にダイエーのカートが現れるが早いか、

「うおぉ」という呻き声を挙げて、体は地面に叩きつけられた。

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終電に乗って、地元の駅から自転車での帰り道だった。

 

スケーターみたいに細身の黒スボンにナチュラルな穴を開けるには

「やっぱりコケるしかねぇなー」と思ってたのでちょうど良いや。

なんて思いながら、

「大丈夫ですか?」と寄って来たヤンキーのお兄ちゃん数名。

 

「あーこいつらがパクッて転がしてたカートに俺が引っかかったのか」

と気付くとなぜか笑えた。

 

「手、かしてください」と気遣ってくれるお兄ちゃんに

「ありがとうございます。大丈夫やで」とお礼を言って、

地面に寝転がりながら脳内カウントで1バースのフリースタイルラップをお見舞いする。

呆気に取られたような顔をしたヤンキーのお兄ちゃんを見て、

この町の高校生やそのくらいの年齢の子達が

ヒップホップで遊んでない事を知り、少し暗い気持ちになった。

 

写真を撮りながら、痛ぇなぁと膝を抱えて星を見ていた。

お兄ちゃんが「膝、破れて、ホンマに大丈夫ですか?」と、

多少以上に加害者意識があることを暗に示した態度に好感と、少し泣ける感じ。

 

「PEACE yo やで」

と言うと少し笑って彼らは元いた場所に戻って行った。

 

〜〜〜〜

 

次の日の私も、心は何処にもあらず。

嘘みたいにボンヤリしていた。

そして、それを自覚出来ないでいた。

 

穏やかな田舎町の昼。

 

小さな交差点で信号が青になるのを待つ。

対面する歩道、誰もいなくても規則性を持って信号が動いている。

照明の色は今、青色を光らせている。

青信号を眺めながら「早く信号変わらないかな」と横断歩道の前で止まっている私。

 

赤信号で停車している左手の車を見たりしながら、やはり青信号を眺めてる私。

信号が赤になった途端、横断歩道を渡る。

当然、

自殺志願者のような自分に新品のクラクションを勢いよく鳴らすドライバー。

それでも自分は何が起きたのか分からないでいた。

 

しばらく走ってから、漫画のように、自分の行動とクラクションの理由に気付く。

 

でも、もう大丈夫。

修羅場はミッションコンプリートです。