-kemurikikaku-

ママチャリに乗った小っちゃいオッサンの日記

スコシフシギ

 

不思議なことが続けて起きる日がある。

ゆるめの不思議が好きで浮かれる。

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京都に降神(おりがみ)、NATURE DANGER GANG(ネイチャーデンジャーギャング)見物へ。

2組が最高だったのは言うに及ばず、不思議なことは行き道で突然起こった。

 

 

息を切らせて切符売り場に駆け込むと何者かに肩を掴まれた。(遅刻)

振り向くとまるで見覚えのないオジサンがムスッとした顔で何かを差し出している。

落とし物かとおもったが、明らかに私の物ではない。

呼吸を整えながら、意味も分からず差し出されたテレホンカード状の物体を受け取る。

ぜんぶで1秒くらいの出来事だった。

 

私が貰い受けるとすぐ進行方向に向き返り、そそくさと行ってしまった。

我に返って「え、これなんすか?」オジサンは振り向かない。

 

するとオジサンの背後にいたらしい、細君と思しき女性が手を前にして、

「それ、無料で使えますから・・」というが早いか頭をさげ彼女もまた消えてしまった。

自然と会釈した私もそれを見て何か感じないわけにはいかなかった。(芥川龍之介風)

 

 

定期券と同じ材質のカードには「エンジョイエコカード」と書かれている。

頭が小パニックを起こしていた私は改札付近に立っていた白髪の駅員さんに

大胆にも「このカードここに通したらいいんですか?」と聞く。

少し間をおき「これ、一回使ったやつでしょ?」と言われてギョッとする。

急に悪い事をしてる気になってきた小心者だが、冷静に考えてまだ何もしていない。

 

 

「ダメなんですか?」などと強がってみせる姿を思い返しれんびん、身悶える思い。

しかし罪には問えないのか、駅員さんはウェルカムな空気を出していて

「これ貰ったんやろ?」と近所のお兄さんのように聞いてくる。

私も「そこで貰ったんですけど、使えるんですか?」と質問。

『仕方ねぇな』という顔をして「そんなこと俺に聞いたらアカン」

犬を追い払うように、下の方で手を泳がせる仕草で私を改札に追い払ってくれた。  

 

 

 「おもしろかったなぁ」

満足げな顔で電車に乗り込みいつもの席に座って周りを見渡す。

 

ミニスカートがガタイのいい高校球児の前に座っている。

足を何度も組み替え組み替え上目使い、漫画のように挑発している。

嘘だろ、うらやましい。

ガタイと違い少年の心が顔に残る球児は上を向き横を向き、細く鋭い眉を上下させていた。

 

2人は偶然同じ駅で降り、一度は別方向に歩き出したが、

ミニスカートが球児の方にきびすを返して歩く姿にはドラマっぽい物もあった。

 

 

たまに、嘘みたいな現実が100%の好意で自分に向く日がある。