ゾーン
朝方の腹減りに耐えかねて近所のパン屋に行ってしまう私が、スモークです。
ド年末にパン屋に足を運ぶと「6日まで休みます」とあり、待ちかねたパン屋詣(もうで)。
食べ切れずダメにしそうで買ってこなかった食パンは案外食べ切れてしまう。
たたかだか200円もしない食パンは長く食べれるし、至高の味。
どうやら僕にとって、ここのパンはうまい。
イカツイ顔のおばちゃんが専用のパン切りマシンでスライスしてくれるのにもグッときた。
朝方の呆けた顔で彼女の動きを見てると、切り幅を自分で調整していて、しかし手慣れた所作は、まっこと職人の風情ですやん。
仕事は、続けていかなければならない日も、耐えて続けると、着実に腕があがる。
自分も調子のいい日は珈琲を淹れる職人になったような気がすることがある。
スポーツの世界で「ゾーン」という現象があると聞いたことがある。
長い間、集中力が持続することで、物事をかなりテキパキ進められる瞬間がそれと同じらしい。
一説によると、覚せい剤はその状態を人為的に作り出す作用があるんだとか、ないんだとか。
そんなもんなくても集中力が高まれば人間は自分の想像を超える働きができる。
イカツイ顔のおばちゃんのスムーズな動きに良いものを感じた朝。