電話とオッサン
オッサンは電話の声がデカい。
正確には、デカい人がいる。
父親もそうだった。
出勤前に事務所で煙草を吸っていると、オッサンの大声が店内に響き渡り、辺りがシーンとなっているのが遠くからでも分かる。
自分の感覚で考えると、この手のオッサンは瑣末なプライドに関すること以外の羞恥心が欠落してるんだろうと感じる。
周囲の空気の変化を感じ取ることができないのもあると思うが、逆に大声で話すことを誇らしくさえ思っているように見える(聞こえる)時もある。
どちらにしても、とにかくやかましい。
「耳が遠くなる」というのも理由だとは思うけど、周囲がシーンとなっても尚、大声で話す人は、それだけが理由だとは思えない何かがある。
常連のおっちゃんはiPhoneをスピーカーモードにしてトランシーバーのように電話をしている。
向こうから聞こえてくる声もかなりデカく、音が割れて双方ともに聞き取りにくそうに、何度も聞き返したりしていて滑稽だ。
電車などの公共機関で電話の使用禁止があるのは、周りを気にせず、いつも通り大声で電話をする人がいるからだと思う。
後から流布され始めたペースメーカー云々というのは、事実とは違うという話も聞いたことがあり、大声が理由だと考えられる。
店内で電話をする時も、外に出てお願いします、とは言わないけど、暗黙のルールのようにそうする、そうしてくれる人がある。
これも、同じように大声で構わず電話をする人があるからだと思う。
声の小さい、というか、常識の範囲内の音量で電話をする人は、お店で電話が掛かってくると、口に手を当てたりしながら、小走りに外に出て電話をするのをよく見かける。
こういう人は、店内で電話をしてくれても誰にも迷惑にならない音量で話す事が大半だが、電話の事なので、どこでテンションが上がるか分からない事を理解しているのだろう。
電車内でも、止むを得ず電話に出なければならない人というのは、同じように、周囲の迷惑にならないように移動したり、電話に出てすぐ、「折り返します」という風なことを言ってたりする。
当然、ルールの範疇で、一旦着信を無視して、メールを打つ姿もよく見かける。自分もそうしている。
自分が見てきた者と、考えを総合すると、声のデカいオッサンはデリカシーが無いんだと思う。
その一言で随分、シックリくる。
デリカシーという言葉、概念を知らないんだと思う。
電話の声がデカいオッサンは普段から声がデカく、何を担保に?と思わされる偉そうな態度で威勢をはっていることも多い。
これは、会社内での自分の立場や周りとの関係性を、外に引きずってしまっているのが原因ではないかと予測される。
自分はこの先、殴られることなど無いという思い込みによる、居丈高な姿勢に居たたまれない気持ちになる。
必要以上に横暴な人に、世の中は最後まで優しくはしてくれないだろうの同情を込めて。
こういう人達を眺めながら、己をかえりみると同時に、時代の変化を肌で感じる。
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