黒バラ
黒い薔薇の画像を見つけた。
こんなキザな植物が存在していることに驚。
格好良いので造花を探して買おうと決めて、楽天なんかで調べてると本体値段が3、400円くらいで、送料が700円くらいする。
なんでや。
黒い薔薇と発音して「黒バラのトトロ」というペンネームを思い出した。
むかーし昔、アニメージュ、アニメディアというアニメ専門誌の読者投稿欄の常連さんの名前で、自分はその人の絵が好きだった。
母親は漫画などの娯楽商品をよっぽど頼み込まないと買ってくれない人だったけど、なぜかアニメージュ、アニメディアに関しては「両方買ったら良いやん」と大盤振る舞いだった。
子供ながらにそれが不気味で、妙な遠慮をしてどちらか一冊をたまに買ってもらっていた。
密かにアニメ業界に憧れた世代だったのかもしれない。
そんな理由で一時期一番よく読んだ雑誌だったので、読者投稿欄なども一月かけて読み込んでいた。投稿されるハガキには、めいめい一生懸命描いた絵が詰まっていて、脇の方に小さな字でコメントが書かれてあり、それを読むのも、他人のハガキを盗み見るような楽しみがあって好きだった。
脇のコメントを読みながら「絵がうまい人は字も上手いんだ」と思ったり。
絵が上手い人はバランスを心得ているのかもしれない。
コメントを読んでいると、知り合いなのか、 「○○さんへ」とペンネームと思われる固有名詞が書かれてある事があって、「黒バラのトトロさんへ」と書かれてあるものが多かった気がする。
自分で決めるペンネームや、投稿欄に掲載されるという承認欲求がうずいて、下手くそな絵と字をハガキに書いて何度か投稿したけど、勿論採用されることは無かった。
なんの面識もないのに恥ずかしげも無く、「黒バラのトトロさんへ」と書いて送ったのは言うまでもない。
自分は当時からテレビをあまり見ない子供だったので、アニメは全く見ておらず、雑誌に書かれてある内容もほぼ理解出来なかった。
当たり前だけど、雑誌にはアニメファンの間で流行っていたアニメの情報が沢山載っていて、でも、なぜか、分からなくても眺めてるだけで嬉しかった。新しい娯楽に飢えていたのかもしれない。
ちょうど「ガンダムW」が大盛況の頃で、登場人物の名前と顔、相関図だけは覚えていて、アニメも何度か見てみたけど、意外にガンダムは登場せず、ジッとドラマを眺めてられない。
放映時間は夕方5時頃だったと思うけど、その時間帯はNHKの子供教育番組の方が自分にとって面白いものが多く、フラフラとザッピングしたり、とうとう腰を据えて最初から最後まで見たことは一度もなかった。