-kemurikikaku-

ママチャリに乗った小っちゃいオッサンの日記

ハロウィンコンニチ

 

 

 

仕様の無い行き詰まりを感じている昨今、先月から仕事以外の思考、行動を放棄している。

 

「これ以上の退屈には絶えられない」と内側から悲鳴が聞こえるまで何もしないでやろうと誓った。

 

 

 

そうして暮らし始めると、なんにも困らない。

 

 

ダラダラしてるのが好きな自分が、適当な日々を適当に暮らして来たせいか、退屈がデフォルトの日々だとやっと気付いた。

 

元々退屈がベースの暮らしに32年あぐらをかき、足を痺れさせて「へへへ」と薄ら笑っていたのに、今さらなんの効果も無い「待ち」だったことにも気付き狼狽、暗い部屋で嗚咽した。

 

 

 

 

じゃー逆にってんで、「ハロウィンパーティー」を企画。

 

夏に海に行ったメンツに集合をかけ、必ず仮装をするように命じた。

 

 

 

ハッキリ言ってこのメンツはほとんどパーティーとは無縁の連中ばかりだ。

 

我が物顔で街を歩くイケテルとされる連中からは、事によると「陰キャラ」などと罵倒を受けることもあるかもしれない。

 

海に行った時も一大行事で、大いにはしゃぎ、世を謳歌する人々の実情を知った。

 

俺たちは「パーティーピープル(パリピ)」と呼ばれる人々と真逆に位置する場所で、息も絶え絶え暮らしているような、煤けた日々に汚泥をすする妖怪人間だ!

 

来てくれた人が見たら怒られるような事を書いているけど、まぁとにかくパーティーをしてみたかったの。

 

 

 

 

 

「もしもし?ぼくだけど仮装大会しない?うん、うん・・大丈夫?じゃー今から来てよ」

 

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「こんにちは」

 

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 「あらウォーリーさん」

 

 

 

 

「お鍋の用意ができましたよ」

 

「食べましょう、食べましょう」

 

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揃いました。

 

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 あとはなし崩し的に飲めや歌えや。

 

パーティのBGMが分からず、勘でサイケデリックトランスを近所迷惑にならない音量でかけながら鍋をつつき始める。

 

以前、この家に越してきた頃、いつもの調子でギターをかき鳴らしながらThe Beatlesの「オーダーリン」を激唱していた所、既に夜0時を超えているのに全く気付かず、隣人様より「何時やと思っとんねん。殺すぞ」という叱咤を頂戴していた。

 

以来、夜9時以降は石のように固まって過ごしていた私。

 

この日は昼間過ぎから集まっていたので呑気に楽しむ。

 

 

 

 

 「だいたいパーティって何?」

 

 「仮装してみたもんの、今から飲み会のようになるんだけど、これで合ってるの?」

 

 「楽しけりゃ良いんじゃない?」

 

仮装してる人達と鍋を囲むのも雰囲気が変わって楽しいじゃないか。

 

 

 

 

皆で好きなネット動画など流し合ったりして19時を過ぎた頃、2人離脱。

 

少し寂しくなった所でBGMを好きな音楽にして楽しみ始めるとインターホンが。

 

続いてドアを叩くような「ガンッ!」という音。

 

 

 

「・・・」

 

集まってくれた皆にも、かつて殺害予告を受けた事を言っていたので一瞬緊張が走る。

 

しかし、のぞき穴を見に行くと誰も居ない。

 

ソロリとドアを開けて表を確認しても鳥の鳴く声が団地の階段に響くばかり。

 

 

 

 

嫌な空気の中、クエスチョンマークが皆の頭に浮かぶ。

 

まぁ常識的な音量で楽しんでるわけだし・・と気を取り直した刹那、

 

「ピンポーン」

 

胸が悪くなってきた。

 

 

 

「はい」と返事をするも外は無言。

 

再度覗き穴を確認すると、どういう理由なのか指で塞がれている。

 

パニック状態でテンション急降下。

 

洗面所に向かい、大急ぎで顔面蒼白ドラキュラメイクをタオルで落として玄関に向かおうとするとドアが開く音。

 

「驚いた?」

 

先に帰った2人のドッキリだった・・

 

この野郎。

 

 

 

 

先の予定が無くなったらしく戻って来たのでハロウィンらしく驚かそうとしたらしい。

 

ハロウィンてそういう催しだったっけ・・

 

ノミの心臓を潰しそうになりながら、安堵感で笑いが起こる。

 

 

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初めてのハロウィンは色々あって閉幕。 

 

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 次は海に行った日に決めていた「ひらかたパーク」へ。

 

世間の人達がリアルを充実させているなら、こちらも充実させてみようという試み。

 

仮装して集まるのは面白い。