-kemurikikaku-

ママチャリに乗った小っちゃいオッサンの日記

エレクトリックシープ

 

 

日々は例外なく糞だ。

正確には糞的な要素の割合が多くを占める。

糞を煮しめた臭いが充満し、糞が敷き詰められた世界を歩く中で、たまに全てを流してくれるトイレのような人や物、場所や時間がある。

糞で糞を洗う毎日にマゾヒズムすら麻痺し、打ちひしがれる事すら忘れてしまった糞まみれの俺に電気毛布が救いの手を差し伸べてくれた。

 

 

 

「NAKAGISHI」と聞いたこともないメーカーの名前が記されている。

昭和産まれの俺にピッタリの雰囲気だ。

 

 

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毎日毎日、俺は眠るために生きている。

極度の面倒くさがりな俺は眠るのが好きだ。

 

眠る時は何もしなくて良い。

何も考える必要もない。

それは糞と決別する最良最善の方法だ。

 

可能な限り、ダラダラといつまでも寝ていたい。

その合間に好きな時に食って、好きな時に排泄して、好きな時に好きなだけ金をジャンジャン使うことが生きがいだ。

しかし、好きな時に食い、好きな時に排泄するのはなんとかなっても、金だけはそうもいかない。

 

 

寝室には暖房器具の類が一切ない。

70年代後期に建てられたボロい団地の窓は隙間風でも吹いているのか、布団など凍っているのかと思うほどに毎夜冷え切っている。

至上の快楽を貪る場所が寒い。

貧乏もまた、本当に糞だ。

 

 

実家に暮らしていた時、同じ部屋に住む兄が少々狂っていたのか、真冬に窓を開けて網戸で寝る人だった。

彼とは同じ部屋に寝起きしながら、もう10年以上口を聞いていなかったので、「窓を閉めてくれ」の一言も交わし方が分からなくなっており、毎冬、俺はダウンを着て寝ていた。

 

そんなことで寒い夜には多少慣れてはいたが、実家を離れて数年、リビングでも暖房を使うようになって体が贅沢になっていたようだ。

 

 

 

糞な生活の最後を締めくくる場所が常に糞寒い事で、糞な朝がやってくるまでの数時間の快楽までも、前半は糞だ。

布団が温まるまでスマホを覗いたり、筋トレをして自分を温めたり、風邪薬の副作用を睡眠薬代わりに使ったり、ろくなもんじゃない。

これじゃオナニーする気にもならない、となればギリギリの矜持を保てるけどそれは別らしく、ますます糞だ。

 

 

暖房器具を買おうとするも「でもお高いんでしょ?」と貧乏性が顔を出す。

 

「今までダウンを着て寝てたんだから、これからもそうすれば良いじゃんか」

「ちょっと我慢したら暖かくなるんやからええやんけ」

 

 

 

どれを選べば良いのか分からず、だんだん面倒になって春がくる。

そんな生活にも限界がきた。

俺は糞まみれのベッドに日々落胆を重ねた結果、面倒くさがらず、Amazon楽天の寝室用暖房器具を探しに探した。

するとどうだろう、ほんの10分もしない内に購入確定ボタンをタップして、次の日にはステキな、それは最高な電気毛布との生活を始めることに成功していた。

 

 


フレンズ「NIGHT TOWN」

 

 

 

人生を無駄にするな

 

なぜか成せばなんとか成る

 

そう教えられたのはもう数年前と今日の話だ。

全ては繋がって繋がって、繋がっていく。

 

 

プチタウン

プチタウン