決まった時間
ゲームセンターで働きたいと一瞬本気で思っていた時代がある。20円か50円くらいで1回プレイできる筐体のある場所は楽園だった。あそこやあそこに行くためにどんな事だってした。引越す寸前に見つけた屋根がテント生地みたいなゲーセンの怪しさ。名残惜しさ。文房具屋の軒先に椅子もなく2台のゲーム筐体が並ぶ。1回50円のファイナルファイトを一機交代で立ちっぱなし、真剣な眼差しの兄弟。近所から少し離れたスーパーには10円からできるゲームもあった。置いてる場所は関係なかった。ゲームをする為の機械が所狭しと並んでいるだけでワクワクした。
ゲーセンみたいな職場。
「ゲームセンター」という言葉で笑っていたけど今は神妙な面持ち。
ゲームセンターにはずいぶん長いこと虜にされていた。動画の曲もめちゃくちゃ聞かされた。頭が良くなる音波を混ぜといて欲しかった。ゲーセンに来たらどこからともなく聞こえてくる曲という印象だけど今はもう流れてないということですね。頭の中に微かに残る景色は荒廃した廃墟に陽が差していている。絶対そんな場所ではないのだが、廃ビルと廃ビルの狭間にゲーム機の音だけが静かに響いている映像を脳は見せてくる。当時の子供にはそのくらい冒険をしてる感覚もあったのだろう。自分が子供の頃は良識ある大人が子供を近寄らせたくない場所だった。今は蛍光灯の明かりがギンギンでサイコ。今日も最高の1日でした。明日はもっと最高の1日になるで!