-kemurikikaku-

ママチャリに乗った小っちゃいオッサンの日記

峯を見ていた日

 

昼間寝てると団地の階段をドタドタ昇り降りして、ギャンギャン騒いでる子供の声が聞こえる。あまりに楽しそうで笑ってしまった。

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ウキャキャキャ笑って興奮気味に話してる声がミュートしたみたいにパッと消えた。住民から注意されたんだろうか。ピタッと空気まで止まるような無音は聞こえる。

 

1996年阪本順治監督作品「ビリケン」を見た。

大阪新世界一帯は2008年オリンピック誘致の候補地。新世界のシンボル通天閣は観光客の減少などを理由に解体の話が進んでいた。

「どついたるねん」「王将」に続く阪本監督「新世界三部作」の3作目にあたる。笑いあり、涙ありのファンタジーで「2代目通天閣40周年記念映画」として撮影された大阪人のための1本。あの辺の街の雰囲気を知ってるだけでなんとなく見てられる。昨日の「団地」から30歳くらい若返った岸部一徳さんのセックスシーンギャグがあり、下品なところも大阪らしさになってて感心した。猥雑さがある種のチャームポイントに見える時がある街だ。

映像の色合いやTEN-GUの音楽など、あの頃感が満載の映画で個人的には大満足。懐かしいCM集を見るような気持ちで楽しめた。とにかく冒頭の、103メートルある通天閣の頂上で、腕を組んで身体ひとつで立っている杉本哲太さんの空撮オープニングショットで一気に心を掴まれてしまった。山口智子さん、國村隼さん、笑福亭松之助さんなど個性的に見えてハマってるキャスティングも良い。一帯をサラ地にしようと企む男を演じた鴈龍太郎さんが勝新太郎中村玉緒夫妻の長男と知る。ユニバーサルスタジオが出来る5年前の大阪。

 

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検証の結果ビリケンさんが動くアニメやCGはなかった。カメラワークが特殊な場面があったり、通天閣が傾く映像があったりしたので覚え違いしたのだろう。現在もビリケンさんは通天閣におられて、コロナ禍は「足にエアタッチ」でお願いしているそう。

 

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「懐かしいCM」みたいに関西映画を掘っていこう。関西弁の映画が好きかもしれない。北京五輪が大阪五輪だった世界線だと西成周辺は開発されてアウトレットとかがある街になってかもと思うと、残しといた方がいいものばかりな気もしてくる。今日も最高の1日でした。明日はもっと最高の1日になるで!

 

 

#day1600