-kemurikikaku-

ママチャリに乗った小っちゃいオッサンの日記

家の中でするなよ!

 

寒暖差は季節の変わり目の合図。

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ごとごと揺れて洗濯機みたいだ。

 

今村昌平監督1981年作品「ええじゃないか」を見た。

“ええじゃないか”は慶応3年(1867年)頃より近畿、四国、東海地方などで発生した騒動。江戸末期の幕府と薩長連合の緊張状態、世相の混乱から「伊勢神宮で天からお札が降ってきた」という噂が流れ始め、「慶次の兆候だ」と踊り騒ぐ民衆が各地で地主や商人たちの屋敷を襲いはじめた。

はじめて日本の時代劇を見たかもしれない。出来事として「ええじゃないか」はその異様さに前々から興味があり、「なぜもっと詳しく教えてくれないのか?」いつかの授業中から引っかかっていた。今回ついに具体的な内容が明らかになると思い見ていたが、調べてわかるくらいの描写があるだけで狂乱の本当の源流は知り得なかった。歴史のお勉強は無しで、あくまでエンターテイメント映画。泉谷しげる演じる源治と、桃井かおり演じるイネのユニーク過ぎるラブストーリーの方に強く引っ張られたタイトルになっている。それが良い。

薄暗い見世物小屋の光景が目に焼きつくと外の景色が映される。雑然とした人ごみ。発光するような原色の着物を着た遊び人風の男が荒っぽく辺りを取り仕切る。対照的な平民のボロボロの格好と暮らし。呼び声、売り声、絶え間ない足音と太鼓や鐘を叩く音。賑やかな群衆の合間に平然と暴力も混じった町をひたすら映し続ける最初の数分ですぐ惹き込まれた。

 

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落語に出てくる言い回しや、蕎麦をたぐるときの所作、名詞などが沢山でてきてテンションが上がる。落語のみならず、芸能の研究者だった小沢昭一さんが制作に名を連ねているのが大きそうだ。氏は劇中に出てくる見世物小屋女相撲にも熱中していた。

 

俳優泉谷しげるを堪能できる作品だった。俳優所ジョージもたまに見たくなる。埼玉県にセットを組んで撮影してるそうだが、江戸時代のこうだったかもしれない風景がとても貴重。夜の暗さと、ロウソクの灯りの頼りなさとか、知らなくて驚くことが多くずっと楽しい映画。今日も最高の1日でした。明日はもっと最高の1日になるで!