-kemurikikaku-

ママチャリに乗った小っちゃいオッサンの日記

Blow away peer pressure

 

来週いっぱいまた寒いんやて。

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電気毛布をしまわなかった俺の勝ちってことか。

 

1990年ウォン・カーウァイ監督作品「欲望の翼」を見た。

1960年の香港。養母の資金で日々なにもせず思うままに暮らすヨディ。サッカー場の売り子スー、ナイトクラブのミミと付き合うが、空虚な目は会ったことのない実母に思いを向けていた。

 

1960年4月16日3時1分前、君は僕といた。この1分を忘れない。君と僕は”1分の友達だ”

冒頭の洒落たナンパシーンのセリフ。字幕を見てハッとなり確かめると今日は4月16日。365分の1はすごいなぁなどと映画に入り込む良いキッカケになった。ウォン・カーウァイ監督作は「恋する惑星」をVHSで借りて見た記憶が薄っすらのこっている。

今作でスーパー色男ヨディ演じるレスリー・チャンテネシー・ウィリアムスの「地獄のオルフェウス」からの一編をキメてくる。

脚のない鳥がいるらしい。脚のない鳥は飛び続け、疲れたら風の中で眠り、そして生涯でただ一度地面に降りる。それが最期の時だ。

 

艶のあるオールバックの黒髪を撫で、冷たい目線で微笑みながらサラッとこんなことを言い放つ男。相当イタイに決まっているが、薄暗い映画の中ではスタイリッシュに決まるのだ。ヨディことスケコマシが女を作っては捨てる経緯を淡々と映していく物語。スケコマシは優しく、冷淡で、期待せず、男尊女卑の姿勢を徹底して崩さない。そんなヨディに惚れた女性の周りをモテない男がウロウロしていて泣ける。情けなくも唾棄できない非モテ男の優しさ一本槍、「あんな奴やめとけよ」的な横恋慕が口に出せずに交差する。ヨディは母親の代わりを女に求めているような解説記事を幾つか見たが、シンプルに女遊びを楽しんでいるだけのように見えた。

 

この映画と言えば不思議なラストが有名だ。当時激ヤバエリアだった九龍城で何ヶ月も撮影されたシーン。天井の低い部屋の中で1度も登場していないトニー・レオンが突如映し出される。3分くらい無言で身なりを整えるシーンが続きプツッと映画は終わる。解説を読むまでレスリー・チャンかと思った。元々映画は前後編で作られる予定だったが予算的に叶わず、後半の主人公だったトニー・レオンのシーンを差し込んだそう。後の「花様年華」、「2046」にトニー・レオンの演じた役の名前や設定が引き継がれているとのこと。「花様年華」がNetflixにあるから見よう。

 

youtu.be

モテない男が良かれと思って説教してみたり、カッとなって手を挙げてしまったりする。格好つけて大金を渡してみたもののワンチャン期待してるあたりホント悲しい。その点スケコマシ演じるヨディのクールさが対照的に輝いて見えちゃうのもどうかと思うけど。

 

 「興奮したら声が大きくなる人 1位みずがめ座」がすでに格好悪いのに、俺は興奮すると顔も真っ赤になるんだよ。笑うとホオズキみたいになる。今日も最高の1日でした。明日はもっと最高の1日になるで!