-kemurikikaku-

ママチャリに乗った小っちゃいオッサンの日記

引越し大好き

 

最近のへぇ〜。もちろん全員ではないにせよ。

サンプリングネタを探したり、実験的にやってみて好きになるパターンはちょっと分かる。

 

2009年クリント・イーストウッド監督作品「グラン・トリノ」を見た。

 

妻に先立たれ、息子夫婦たちから微妙に距離を置かれている偏屈な爺さんウォルト。自動車産業が下火になり、次第にアメリカ人がいなくなったデトロイトは荒廃し、アジア系の人が多く住む街に変貌していった。隣家に越してきたモン族のアジア人たちを「米食い人種」「イエロー」と蔑んで暮らしていたが、ひょんなことから彼らを地元のギャングから救うことになり交流が始まる。

 

グラン・トリノとは70年代にフォードで作られた車の名前。主人公ウォルトがフォードの自動車工として働いていた時から大事にしている。ウォルトにとって、なにもかも気に入らない現代と違う古き良きアメリカの象徴として登場。ウォルトは先日の「サリンジャー」と同じく退役軍人であり、地獄の日々がフラッシュバックして苦しみながらそれを隠して生きている老人。

 

良いもん見せてもろた。強烈な差別と偏見、銃社会の暴力、憧れやイメージの中で無いことになってるリアルなアメリカが映し出されたドシンとした作品。なんだけど声を出して笑ったし、いい意味で振り回してくれる傑作だった。見終わって思い返すと派手なシーンは特になく、日常系みたいなリアリティの合間に抑揚が発生して、気づけば映画に引っ張られているのが心地よかった。

 

若い頃、映画評論家や雑誌などで批評をする人は、クリント・イーストウッドの映画評価がやたら高くついている印象があった。「ダーティハリー」も「許されざる者」も「マディソン郡の橋」も見てない自分は、世代別のご贔屓なのでは?と勘繰り、実際どんなもんやねんと「ミスティック・リバー(2003)」を舐めた感じで観に行ったのを覚えている。結果映画は良くて、感じたことのない心の動きに戸惑いながら「大人の映画だな」と思ったことを記憶してる。

 

今作で監督をしつつ主演で偏屈な爺さんウォルト・コワルスキーを演じたクリント・イーストウッドは、「今後は監督だけをやる」と宣言したことでも話題になっていた。ご存じの通りその後もバンバン役者として活躍している。往年の映画ファンにはたまらない、これまでのイーストウッドのキャリアを振り返るようなオマージュシーンがたくさんあるそう。「ファーゴ」や「ファウンダー」などに出演していた、ジョン・キャロル・リンチ演じる床屋の店主とイーストウッドの曰く、「男同士の会話」がおもしろくてお気に入り。

 

youtu.be

193センチてマジ。でっかいジジイやな。

 

アイ・アム・サム」で初めて見たショーン・ペンに度肝を抜かれ、「ミスティック・リバー」で再度ショーン・ペンを見て、その振り幅に「役者すげ〜」となったのを思い出した。「運び屋」も見ないとだが、胸糞系と聞いて積みDVDになっている「ミリオンダラーベイビー」をついに見る時がきたようだ。今日も最高の1日でした。明日はもっと最高の1日になるで!