-kemurikikaku-

ママチャリに乗った小っちゃいオッサンの日記

アサシンに用がない

 

鶏ハム期。最初はめっちゃうまいんやけどな〜。

いつもと同じ日常こそ最良の日常。のはず。

 

2000年ミミ・レダー監督作品「ペイ・フォワード 可能の王国」を見た。

 

「もし自分の手で、世界を変えたいと思ったら何をする?」中学1年最初の社会科の授業でシモネット先生は、生徒たちにこれから1年かけて考える課題を与えた。たくさんの生徒たちとちがい、トレバーは先生も初めて見た回答を実行し始める。それは「自分が受けた善意を、別の3人に渡す。受け取った3人がまた別の3人に善意を渡す」というものだった。

 

スピルバーグ作品だと勘違いしていたのは「A.I.」の主人公、ハーレイ・ジョエル・オスメントが出てるからだろう。

後年「恩送り」なんて言葉になって、スピリチュアル系や、ベンチャー・意識高い系の人たちの間でキーワードになっていった印象がある。上手くいけば善いネズミ講が完成するすごい仕組みだ。Wikipediaによると原作者が「治安の悪い地域で車が故障し、それを見て近寄ってきた男2人が親切に修理してくれた」体験から「この善意を他人に回す」という思考が生まれたそう。

 

めちゃくちゃテンポが良く見やすい。たくさんのエンターテイメント要素、社会問題などスムースに織り混ぜ、徐々にテーマが深層へ潜り、シリアスな山場を作りながら4Dで物語が迫り来るようだった。

何年も生徒に与えてきた課題にいつしか先生が向き合うことになっていく展開もいい。いわゆるバタフライ・エフェクトが竜巻になり、まわりの大人たちをオタオタさせ始める構成。本当によくできた話なんだけど、終盤は打ち合わせの段階でスタッフ全員泣きながら、興奮しまくって会議をしていたのでは?と思う展開。最後はちょっとやり過ぎてるようにも感じてしまった。

それでも話題運びの上手さ、続くシーンの濃厚さ、その加減は鼻を膨らませて画面に食い入る楽しさに溢れていた。

 

あと登場人物の顔が印象的だと感じた。ケビン・スペイシー演じるシモネット先生は"ある理由で"と注釈がつく、顔に特徴のあるキャラ設定だが、トレバーやお母さんアーリーン、その他の登場人物も、ひと目見た時に引っかかりのある顔立ちをした俳優ばかり集めてるように見えたのが興味深かった。単純に知らない俳優さんが多いだけなのかもしれないが。

 

きっと日々の暮らしに慣れた人たちは、良くないこともなかなか変えられない。きっと、だから、あきらめる。でも、あきらめたらそれは負けなんだ。

 

youtu.be

空撮で雄大な自然を車が走るシーンなんてよくあるけど、妙に良かった。

 

伝わるか分からんが「映画見たな〜!」と伸びをしたくなる映画だった。昔は映画館から出るとよく「映画見たな〜」と思ったものだが、最近はそういうこともなくなったなぁ。どうでもいいけど「エイス・グレード」は中3だと教わったが、この映画で「セブングレード」が中1の意味になっていた。どゆこと。今日も最高の1日でした。明日はもっと最高の1日になるで!