-kemurikikaku-

ママチャリに乗った小っちゃいオッサンの日記

向こう側のこと

 

やっと、冬の寝具セットを圧縮袋へ。

夏仕様にした日から感じ始めた寝苦しい暑さはなんなんだ。

 

2014年アレクサンダー・ペイン監督作品「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」を見た。

 

「100万ドルの当選」を知らせる古典的なインチキの手紙を信じ、ネブラスカまで1000キロ以上の道のりを歩いてでも当選金を取りに行くと聞かない高齢の父ウディ。何度も父を連れ戻す息子のデイヴィッドは無駄足と分かりつつ、父親を車に乗せてネブラスカ州に向かうことに決めた。

 

アマプラ終了間近シリーズ。なにを見るか迷う必要がほとんどないのでこのシリーズは気に入ってる。今回は久しぶりの白黒映画。非常にローギアな、ゆったりとした作品。ジャック・ニコルソン主演「アバウト・シュミット(2002)」の監督だった。

 

高額当選を知られると親戚が増えるとか、イタズラに金の無心をしてくる者が現れるなどよく聞くが、その浅ましさは映像で見ると笑えないものだ。正直に言うと退屈なロードムービーではあるが、要所要所でしっかり惹き込まれてる自分にも気付く。お金の話がジワジワと闇を連れてきてハラハラ。

 

ウディを演じたブルース・ダーンはハッキリしてるようでハッキリしてない爺さんの素晴らしい演技。耳が遠いからか、話を聞いてなかった時の「ハッ?」みたいなリアクションがその辺の爺さんを引っ張って来てやらせてるみたいだ。実際この作品に登場する何人かは地元の人に出演をお願いしており、ブルース・ダーンの演技とあいまって全体にとても自然。

 

従兄弟や親戚が集まった時の雰囲気のリアルさには笑った。田舎すぎて娯楽も無さすぎて、「モンタナから2日かけて1200キロを走ってきた?俺なら8時間だぜ」という謎のマウントをいつまでも引っ張っていじってくる従兄弟のウザさが強烈。人がたくさん集まったあとも、テレビがないと会話が生まれずほぼ無音の気まずい空気。あるよな〜と感心。親戚の集まりが苦手なのでよくよく分かる。数年ぶりに会う親戚と話すことなんかお互いにあるわけないのに、無理をしてまで付き合いを留めるのは不思議だ。家系図は根深い。

 

この映画でいちばん注目したのがウディの妻ケイトの登場するシーンだった。一見なんでこんな嫁を貰ったのかと、息子ですら疑問に思うレベルで口の悪いクリスチャンの母親だが、彼女だからこそ、無口で大酒飲みで、人からの頼みが断れない、つけこまれやすい性格のウディを支えてこれたと分かるシーンにとてもグッときた。何が幸せな結婚生活とか全く分からんけど、はたから見て夫婦が仲睦まじいことだけが、それに値するのではないことはよく分かったし、仲睦まじい夫婦がいちばん良いんだろうけど、とも思った。

 

youtu.be

ケイトを演じたジューン・スキッブは60歳を越えてからスクリーンデビューしたそう。素晴らしい役者さんでした。

 

まーた雨。片山慎三監督の「岬の兄妹」「さがす」がアマプラに登場。日記を書くのにとっても時間がかかりそうだけど、是非見たかったので再生開始。今日も最高の1日でした。明日はもっと最高の1日になるで!