夢のあと
働いている喫茶店が閉店を迎えてしばらく経つ。
「せっかくなんで」という事で、歴代の従業員が集まれるヤツ全員集合。
20人くらいの人間がビアホールに集まって大宴会となる。
長いと5年か、それ以上ぶりの懐かしいスタッフ達と久々に笑いあった良い時間。
自分としては久しぶりに大酒を飲み、適正酒量を大幅に超えた結果となったが気分は良いまま。
みんな大人になって、子供ができたり、それぞれに生活している。
仲良くやっていけたスタッフ達は久しぶりとは思えないようなハシャギっぷりで、懐かしさを感じないくらい良い顔で再会できた。
オープニングから最後まで勤めていた自分だけが全員の顔を知っている不思議な空間。
果たされるかは分からない「また集まろう」を言い合って、それぞれの暮らしに帰っていく終電車。
振り返ってしまえば一瞬のような日々を暮らした面々を思い出す帰り道、「人を大切にして生きたいなぁ」なんて、酔いに任せた良い格好な言葉が口から出る前に、胸に落ち溜まっていく。
優しい人たちとの交流を続けようと思う。
良い時も悪い時も一緒だった人たちと交わす笑顔は嬉しい。
Alexander O'Neal & Cherrelle - Saturday Love
メルセデスコネクション
店の新しい店長の周りには事業家の人が多いらしく、ブラックやプラチナカードを持ったお金持ちも少なくないとか。
店長は極めて庶民派らしく、そういう人達との交流で考え方を学んだりするらしい。
クレジットカードはプラチナからコンシェルジュが付くらしく、電話一本で世界のサービスを手配しておいてくれるとか。
手配をさせたらあとは身1つでそちらに行くと「伺っております」と歓待を受けるそうだ。
ブラックカードの上にはホワイトカードもあるんだってさ。ふーん。
最新式のSクラスベンツには「メルセデス・ベンツ・コネクション」というサービスがあるらしい。
車の中にボタンがあって、ワンプッシュでコンシェルジュに繋がり、サービスの受けられるお店を手配をしてくれるという。
ふーん。
人が変われば受け取る情報が変わって愉快。
痛快な人達の暮らしぶりは帯付きの百万円の束を財布に入れる毎日。「財布は折れるのかしら?」と咄嗟に考えた貧乏な頭。
分厚くなった財布は電車でスられたらすぐ気付きそうだけど、新幹線くらいしか乗らないだろう。
明石家さんまさん曰く「ホンマの金持ちは現金を持たない」らしいけど、偽もんの金持ちだったとしも、1回財布に百万円入れて昭和の俳優気分を味わいたいもんだ。すぐ銀行に預け入れしておきたいもんだ。
俺の財布から妙に多い1円と5円がこちらを覗いている。
千円札を何枚持っているか確認しながらの日々。
唸るほどの大金を持っていたらいつも機嫌よく過ごせんだろうな。
「あればあるほど調子良い」とはジブラ氏のリリックから引用だが、それは本当にそうだろう。
ちょっとやそっとの災難は目がくらむ大金の前では気にしないですみそう。
世の中にあるほとんどのモノがお金で買える。
お金で買えないモノは、お金で買えるモノに対して5%くらいで、お金持ちは世の中の95%のモノが買えるが、貧乏をしてるとお金で買えるモノも15%くらいになる。どっちが良いと思う?
とかそんな風な極論をネットで見て「なるほど」と膝を打った。
かつて「愛はお金で買えない」と若かりし日のポールマッカートニーは高らかに歌った。
彼はその後、95%をお金で買っただろう。
同じビートルズメンバーのリンゴスターは「金で買える物は全部買った。でもすぐそういうことじゃないと気付く」という風な事をビートルズアンソロジーの中で語っている。
しかしリンゴも95%を買ったのだ。
金でモノを買うことで得ることができる幸せな時間は短いという話か。
頑張ってお金を貯めて買った何かも、30年も経てば色褪せてしまうかもしれない。
お金持ちは刹那的な幸せを定期的に買っているかもしれないが、貧乏な俺も、安モンで刹那的な幸せを定期購入している気がする。
それはそれで幸せなんだよなぁ。
話はガラッと変わって、吉田豪さんがずっとしたいと言っていたさんまさんインタビューをしていた!
Netflixからの質問に自分の聞きたいことをいかに混ぜるかをやってらっしゃる様子。
夢あるなぁ。
残る暑さ
研修も終わり、オープン初日をこなす。
ずっとやってきた仕事というアドバンテージと、ちょこちょこ変わった所とを結ぶ。
お疲れ様でした。
裏歌舞伎へ。
9月に入る少し前から涼しい風がどこからか吹いている。
活動している時間帯なのか、もう真夏の気配は消えていて、それがやはりさみしい。
あんなに暑くて、ダルがっていたはずなのに、毎年毎年、懲りもせず切ない。
7月よりも8月。
加速をつけて去っていく猛烈な季節は、ここから続く長い寒さと引き換えのように青い。
9月も中盤になる頃には足跡も落ち葉に埋もれて袖を長くする。
早くも夏が恋しい。
時間を見つけて日向に出て行こう。
〜・〜・〜・〜・〜・
あさって、9月3日(日曜)は阿倍野・流流でおライブです。
流流10周年year企画「演の庭 vol.7」
9.3(日)
開場 14時 開演 14時半前売¥2000/当日¥2500+1ドリンク(¥500)
会場:阿倍野 流流 http://ru-pe.com/
▼出演
宮嶋哉行
ルイ・リロイ+Jerry Gordon+風間晴賀
smoke
共演の宮嶋哉行さんはバイオリンの即興演奏、
ルイ・リロイ(gt. etc)+ Jerry Gordon(sax.per.etc)+ 風間晴賀(per.etc)のお三方はそれぞれの音楽表現で即興演奏をされます。
即興を乗りこなす手練れに混じってアタクシは1番手をつとめます。
久々のライブは新しい曲も幾つか用意して、詩の朗読とラップ。
皆様のご来場お待ちしております。
また汚れられない1日
久々に書きかけでブログが消える。
何度経験してもダールい。
少し前、店が一時閉店した日、いつもより早い時間に帰宅すると、外からドンドン音が聞こえている。
すぐに夏祭りと分かって、去年は行けなかった事もあり音のなる方へ。
時間的にそんなに早くも無かったけど、まだまだこれからというテンションで盆踊る人達を見れた。
ありがたい。
野外フェス感を演出する少女のシャボン玉がゆかりのない校庭を盛り上げていた。
校舎の階段で暑そうにしてる風景は夏の終わりを感じさせる景色だった。
暑さでボンヤリなこんな時に積もる話でもしているのだろうか。めいめいのやり方ではしゃぎまくる女子と男子の姿も良い。少年少女は無垢そのもの。戦争だ人工知能だと言われる昨今でも、なくならない伝統文化の継承が夏祭りには残っている。
若い子たちの顔が新しくなっていく。女の子の化粧で時代の移り変わりを感じることが多い。自分が学生時分には見たことが無かった顔が増えて、太眉に濃い口紅は先輩達が謳歌した80年代の顔なのに、それはずいぶん子供に見えるのが不思議だ。
一日中寝ていた。
15時間の快眠を終えても布団は絶対に俺を離さなかった。愛い奴の期待に応えるべく、いつまでも布団の中でゴソゴソ。
そろそろ布団を出ないと1日が終わってしまう。終わっても良いんだけど、今日は谷本さんにライブで使ってる音源を渡す日なのでCDを焼きながらボンヤリ過ごす。
お好み焼き食いたいなぁのテンションで盆踊っていたら3時間ほど経っていた。
いつの間にか近隣のスーパーは全部閉まってる時間なので激安の殿堂ドンキホーテへ。
こういう時、地元にドンキホーテがあるのは本当に助かる。
レジの女の子はギャルっぽい子も、太眉に濃い口紅の子も、すべからくやる気無く、眼に映るだけでムカつく。自分も完全にオッサン側になったんやなと諦める。
なぜあんな大げさにやる気無く見えるように動けるのか、イキりたい年頃に真面目な子は三割り増しで美しく見えるものだけど、これもまたオッサンぽい考え方や。
アンテナが反応したトルティーヤは読み通りの旨さ。
当然旨いと踏んで3つ買っといてよかった。
激安の殿堂から出ると、目を閉じて、手を広げ、ゆっくり回転し続けるおっさんがいて、この町も変になって来たことを確認する。
3分見ていた。止まらなかった。
狂っているのか、自然なのか。
憧れの神戸ナンバーのラパンで現れた谷本さんに音源を渡して少し話す。
前回スタジオの日、谷本さんは別れた後、赤犬のメンバーさんと杉作J太郎さんの映画試写会に呼ばれていて、そこには杉作さんとのイベント終わりの吉田豪さんも残ってらっしゃったらしい。
羨ましい。
ロフトプラスワンウエストで杉作さんの映画試写会を吉田豪さん、赤犬のメンバーさんと見るって、憧れの塊みたいな状況だ。
俺もそこまで行くぞ。
You're dead
9/12(火曜)ライブに呼んでくれたドラマーの谷本さんとステージでご一緒する事が決定した。
氏はウェザースプーンというバンドを母体に、大阪の大所帯バンド赤犬のドラマーでもある。
何を置いても1度スタジオに入りたいということで待ち合わせる運びに。
実に四年ぶりの再会だったが、谷本さんの優しい〜雰囲気のおかげでスンナリ話し出す事ができた。
集まった僕らはそそくさと夕方の白木屋に潜入して、お互いの趣向を探り合ったりする。
せっかちな僕は不安がる谷本さんの手を引き、先輩の働く「スタジオマジック」へ歩を進めた。
個人的にはスタジオでマジックに昇華しそうな片鱗を感じれたので満足。
少しづつ谷本さんも良い顔になって来る。
スタジオから出てその足で9/12の会場となる、「西天満ガンツ トイトイトイ」へ谷本さんとチラシを渡しに行く。
フライヤーは文字まで含め谷本さんが鉛筆で描いている。
エッシャーの世界観がオリジナルキャラと相まった。
アメリカ村サンホールで働いていたスタッフさん達が作り上げた新しいライブハウスが「ガンツ トイトイトイ」。心強い先輩達が優しい笑顔で出迎えてくれる。
谷本さんと最初にお会いしたのもサンホール。「ゴミ箱ベース奏者」のナランチャを谷本さんがイベントに呼び、ナランチャが僕を呼んでくれたことから始まった縁。
それが繋がって今回のライブは実現している。
店内にはアダチさんと呼ばれているオーナーなのか、店長なのか、キャラが濃い御仁との嬉しい再会もあった。
サンホールでライブをした日、アダチさんはライブが全部終わった後の楽屋にフラッと現れ、
「今日、なに?・・お前らライブやっとったんか?でやってん?・・ふーん」
ただの1ミリも興味が無さそう。でも、アダチさんが言うと不思議と嫌な気がしない。その後は素直な発言を連発して、場の空気をドンドン暖めてくれたのを覚えている。
アダチさんは当時髪をくくっていた気がするけど、髪はだいぶ短くなっていて、白髪染めが施されている。4年の間に生死をさまよう大病も患っていたらしい。
「おれ、一回死んでん。smokeも一回死んでみ。強なるで」
前日カーテンズのヲザキ君と話していたようなことを言う。
「実は既に2回死んで2回蘇ったんですよ」とは言わず、ヘラヘラ話しを聞いていた。
12日のライブの前に9月3日(日曜)は阿倍野・流流。
フレッシュな心持ちで。
新鮮な王子さま
切なさに暮れてる24時間も過ぎ、早くも店の研修が開始。
全く違う顔ぶれを眺めながらちっちゃいオッサンは抜け目ない小利口なオッサンを演じるべく、額に汗して働いた。
真面目にコツコツ、声を出し、遅刻もせず、できない人を助け、まだ要領が掴めてない若人に手を差し伸べ、京都から応援で来てる社員を労わり、新しい旦那さんのお気に入りらしいゴッホのレプリカにいち早く気づき、平身低頭ゴマスリゴマスリ、身とゴマを粉にして人身御供に仕事をした。
普通に仕事して、仕事教えて、遅刻しないだけでキリストにでもなった気がする奉仕精神全開ヨロシクな2日間だった。
今までの自堕落がしみる。
しばらくは「右の頬を打たれたら左の頬を差し出す」ドMの精神で働こうかな?やめよかな?やっぱやめよ?です。
帰宅後、先ほどの精神が泡に消える動画を発見した。
少し前にボイラールームとバドワイザーのコラボイベントでのDJアクトが一部で話題になっていた、DJ JAZZY JEFF(DJジャジージェフ)が「リズムルーレット」に登場。
ジャジージェフは、ザ・フレッシュ・プリンスという名前で活動していたかつてのウィル・スミスと一時代を築いた人物。
「リズムルーレット」とは、トラックメイカーが目隠しをした状態で3枚のレコードを選出。その3枚のレコードからサンプリングして即興で曲を作るという趣旨の番組。
この番組にDJ Dahiが2度目の登場した時と同じく(serato Edition)とあり、この表記がある回はレコード店には行かず、レコードコレクターのGENE BROWN立会いのもと、コレクションの中から目隠しで3枚選ぶ仕様になっている。
GENE BROWN氏が何者か存じ上げませんが、コレクションから選ばれた3枚は、とてもいい音楽を画面からあふれさせます。
ジーンブラウンで検索して出てきた記事タイトルを翻訳機にかけると、どうやら「レアなサンプリング元ネタジャンキー」なのかな?ということが、かろうじて分かった。
ありがたい人。
ジャジージェフも思わずニヤけたレコードから作り出された音楽にラップが乗り、最後に付け足されたピアノへのエフェクトと、スクラッチによってガッチリ固まるヒップホップビートに酔う。
何年か後、この番組によって格段に若手トラックメイカーの質が高まったことが立証されるだろう。
HE'S THE DJ, I'M THE RAPPER (EXPANDED EDITION)
- アーティスト: D.J. JAZZY JEFF & THE FRESH PRINCE
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- アーティスト: DJ Jazzy Jeff & Fresh Prince
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