「Smoke」を見てきた
去年から楽しみにしていた「Smoke」の映画館上映へ。
「Smoke」は1995年上映、アメリカ、ドイツ、日本の合作映画。
監督はウェイン・ワン。原作である『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』を書き下ろしたアメリカの作家、ポール・オースターは映画化に際し脚本も担当。
ニューヨーク、ブルックリンの煙草屋の店主オーギーとその周りにいる人たちの日常を描いた作品。
煙草のすすむ映画。
初のスクリーン鑑賞は素晴らしきかな。
小さな上映館ではあったけど、パソコン画面と違って大きなスクリーンは良い。
目が悪いのに裸眼で生きる私にとって、映画館はメガネをフルに活かせる場所だ。
鑑賞中、普段利用する街中の巨大シネコンのスクリーンの大きさ、音響設備の良さなどにも気付いた。
映画は値段が高いとか、値段が高いとか、なんだかんだ言いたくなるけど、アレはそれなりのモノだったのだ。
高いけど。
なんでもない日常を過ごす人達にも「よく出来た話」みたいな事が、誰にも知られずに日々起きたりする。
オーギーの友達、作家のポール・ベンジャミンの妻は、銀行強盗の撃った流れ弾に当たり帰らぬ人となった。
彼はそれ以来、スランプに陥りすっかり小説が書けなくなってしまった。
いつものようにオーギーの煙草屋を後にして、彷徨うように家路へ歩く。
魂が抜けたようにボンヤリ歩いていてトラックに轢かれそうになるが、間一髪の所で後ろを歩いていた黒人青年ラシードに助けられる。
助けられる寸前、通りを走る車のカーステレオから、DJ premiereがプロデュースしたブルックリンの2MC、group homeのシングル「supa star」が1.5秒ほどドップラー効果を伴って聞こえてくる。
イエス・キリストを悩める1人の人間として描いた作品、「ジーザス・クライスト=スーパースター」を想起させる「キッカケ」のシーンだ。
悩める作家を救った青年との出会いから、何処にでもあるような人生に物語が脚色を始める。
映画パンフレットが手に入って幸せ。