ナツマエ
まぁ〜蒸し暑い。
かき氷もボチボチ売り上げに加速を付けている。
無くなる予定だった喫茶店はその後も別のオーナーが引き継ぐことになった。
店は無くならないけど、人員は当然総入れ替え。
また入りたければ面接を受ける事になるよう。
朝方まで曲と詩を作って煮詰まって来たのでアイスコーヒーを飲みに店に行く。
出勤時のような慌ただしさは無く、ゆるゆるチャリを漕いで朝の町を走る。
雨もやんだ。
閉店して数時間経った店内はシンクの水も干上がり、静まり返っている。
こんな風に好きな時間に店に出入りする事はおおやけに許されては居ないけど、咎める理由もない。
そろそろ帰ろうとした所にオーナーの旦那さんが締まりの悪くなったトイレのドアを直しに来た。
バツが悪いタイミングだったけど少しだけ喋る。
旦那さんは黙々と作業していて、帰るタイミングを失った私との間に無言の空間が流れ続けている。
少しの沈黙を破り「俺らは撤退するけど、次はどうすんねや?」ワンマン一辺倒だった旦那さんが、少しだけ申し訳なさそうなトーンで聞いてきた。
何も決まってない事を告げると「ここ、面接受けろよ」とだけ言ってまた作業している。
「やっぱり、それが良いですかね」何も考えずに聞き返すと「それがええよ」とだけ言ってその後も振り返ることはなかった。
旦那さんが一度外に出たタイミングで自分も外へ、明日の業務内容について少しだけ話した後、適当に切り上げて帰宅。
オーナー夫妻とはこの店が出来た日からの付き合いで、今後を心配してくれてる風な素振りを近頃感じている。
同時に、片隅の心配事である自分がまた同じ店に収まってくれるのが1番手っ取り早く、肩の荷も下りる結末なんだろうとも察する。
何も考えていないだけで、誰のことも恨む予定はないけれど、迎えた側からすれば寝覚めの悪い存在なのかもしれない。
育ち始めたゴーヤの前にはデッカい花が咲いていた。
飛んでる虎
今や誰も言ってませんが、「北欧の百均」と言われていたフライングタイガーで見つけたカゴ。
その名も「キャンピングバスケット」。
ハウス食品一社提供のアニメでしか見たこと無い気がしますが、まさかの本物。
皮肉でなく、こんな素敵なバスケット(!)を持ってどこぞへ行く瞬間が訪れる生活に憧れて生きたい。
百均と言われなくなった一番の理由と思われる値段も1800円するだけあって、シッカリしてました。
タイガーはヘンテコで可愛らしい商品が多く、つい無駄遣いしそうになります。
しかしそこは金銭問題が大いに絡むので、傍観者としてのスタンスは崩さず、楽しい店内を物見遊山スタイルでゆるゆる歩く。
ウサギちゃんのじょうろ。
「じょうろ」って初めて書いたかもしれない。
「じょーろ」、「ジョウロ」、どれも変な感じがする。
でも「じょうろ」も「如雨露」も・・
麺の湯切りザルかと思いきや、「ポップコーンメーカー」!!!!!
この蓋は一体?と思ったけど、ポップするコーンを抑える為の物だった。
ポップコーンてアルミ箔に包まれてる物だとばかり思っていたけど、穴あきの網で直火に掛けて良いものだったのか。
ちゃんと持ち手が器部分から離れている所も抜かりなし。
なんじゃかんじゃ眺めて大満足で店を出る。
世知辛く厳しい現実社会の疲れを癒す為に色々な場所が人を待ち受けてくれている。
休み明けのテンションを少しでも持ち上げる事が出来れば、それだけでどんな所もありがたい場所になる。
能書きを垂れる手には「携帯型ミラーボール」が2つも握られていた。
キラキラしてて楽しいよ。
この世の地獄
夜中Twitterを見てるとMobb Deep(モブディープ)のラッパー、プロディジーの訃報を知る。
初めて聞いた日から今に至るまで、いつ聞いても格好良いヒップホップが聞けるセカンドアルバム「The Infamous」はドープとか、黒い、煙たいと表現される音楽との出会いだった。
スラムの現状など知る由もない平和な日本で聞いていても、彼らのラップと重く暗いビートからニューヨークの深部を想像させられた。
暴力的に太っとい音にビビるスピーカー、とんでもなくシリアスな生活の中で生まれた切実な音楽なんだろう。
この曲はエミネム主演の映画「8マイル」でMCバトルのシーンでも使われている。
長い間「The Infamous」がファーストアルバムだと思っていた。
そして、多くのヒップホップファンが賞賛する3枚目、アルバムタイトルにもなっている「Hell on earth」は彼らの地位を不動のものにする。
今日は新聞各紙が「沖縄戦終結の日」について見出しを掲げている。
読売新聞社説に元沖縄県知事、大田昌秀さんの20歳当時の手記が紹介されていた。
海岸に死体が押し寄せていた。水葬の遺体を波がかき集めたかのように
殺された人、自決以外の選択肢を持たなかった多くの人たちが亡くなった。
6月になると、中学の修学旅行で訪れたひめゆりの塔を思い出す。
梅雨の雨の中とても重苦しい雰囲気で塔は佇んでいた。
小学生の頃、第二次世界大戦下の日本に興味があった私は家族旅行の行き先を決めていた親に頼んで広島に連れて行ってもらった。
きっかけは峠三吉さんの原爆詩集に収められた「序(にんげんをかえせ)」の衝撃だった。
無理にヒップホップを介した言い方で書けば、「にんげんをかえせ」という言葉は、リアルとハードコアの原体験だ。
まさに「この世の地獄」が日本人なら誰にでも伝わる言葉で描かれている。
そんなことを同時に思うアーティストの死だった。
合掌。
百鬼夜行
先週の土曜日はライブ。
谷町九丁目のライブ喫茶亀で「百亀夜行」というイベントに呼んでもらった。
気付けば喫茶亀の人たちと出会って2年くらい経っている。
音楽をやってる人、芸人さん、俳優さん、いろんな人が居ることを知った。
みんなそれぞれ思う所あって生活している。
呼んでくれた加藤君は、最近クラブで泥酔してミラーボールを破壊しかけている所を取り押さえられ、つまみ出されたらしい。
アホやなぁ。
加藤君は出会った頃、喫茶亀でINUの「気い狂て」を流していた。
「ここの人はINUを聞いてるのか」と嬉しくなった思い出があって、「気い狂て」の冒頭部分をサンプリングした曲を久々にライブでやった。
その辺からタガが外れたように、なんだか心が自由になってしまい夢中になっていた。
ちょっと好きにやりすぎたかなと心配していたけど、加藤君が終わりでビールをご馳走してくれた。
良かったらしい。
帰り道、野良猫が寄って来て、寂しそうだった。
今年の頭くらいに現れた猫で、朝方になると駐輪場で独り鳴いていた。
次第に喧嘩するような声が朝聞こえるようになったのだけど、よそ者として、元々ここに居た猫達から迫害を受けてるようだ。
写真で見て初めて気づいたけど、信用を忘れた良い顔をしている。
それでも寂しくて、少なくとも食べ物があってまた戻って来てしまうのだろう。
人間とは違い、小賢しく理由を付けたりせず、ストレートにすり寄ってくる猫にキュンキュン来るのは仕方ない事だと思った。
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半年経って、あと2ヶ月
2ヶ月後、いわゆる「口に糊する」という状況が待っている。
簡単に、貧乏になる、という意味の言葉。
アラビックヤマトで口を貼り合わせるからご飯が食べられないという意味ではないそうだ。
「糊する」とは、「おかゆをすする」という意味らしく、おかゆくらいしか食べる物が無いひもじい状況を現しているらしい。
そんなこた、どーだって良い。
あぁ6月後半。
一年が半分過ぎようとしている。
あと2ヶ月で働き口が無くなる。
無職になって、口に糊するまで2ヶ月前になってしまった。
広末涼子歌うところの、KN2、口に糊する2ヶ月前だ。
彼女は、私が今よりもっと何も考えないで惰眠を喰らい続けた小中学生の頃、「マジで恋する5秒前」という曲を歌っていた。
この言葉は東京の盛り場に頻出していたギャルと呼ばれたお姉さん方が考えた造語、MK5(マジでキレる5秒前)が元ネタとなっている。
この頃同時に出現した「コクル(告白する)」という言葉には、無垢な童貞心にビンビン反応するものがあった。
「告られてみたいもんだ」と心底思った。
放課後、昇降口、下駄箱辺りをウロウロしてたら誰かに告られやしないか。
はたまた自分の下駄箱に純真な少女から恋文が入っていないだろうか?
サッカー部の連中が女子から貰っている、ひと工夫して折りたたまれた四角い手紙には何が書かれてあるのだろうか?
部活動に励む生徒達の声を聞きながら、人気のなくなった校舎をウロウロする自分はさぞ気持ち悪い存在だったろう。
「♪ずっとまーえーか〜ら〜 彼ぇ〜の〜こと〜」
友達もおらず、部活にも入らず、虫ばかり捕まえていてアイドルにもとんと疎い子供だったが、広末涼子さんを見て「可愛い人が世の中にはいるもんだなぁ」と随分感心したのを覚えている。
CMに映る彼女のショートカットに、新しい時代の気配を子供ながら感じていた。
違う違う違う。どうでも良いどうでも良い。
定職が無くなる。
その事が、どれほどのことを意味するのか、私は今もって真剣に捕らえられていない。
数ヶ月前にも、「なんとかなるやろ」としか考えてないと書いたが、今も同じ状態だ。
お前はいつもそうだ。
ケツに完全に火が着き、背中にまで燃え広がる頃になってやっと、あまりの熱さと、自分からすると謎の自然発火に半泣きで身悶え、哀れに暴れ周りながら「しもたー!」と準備不足と行動力の無さと意志の弱さを呪っている。
MK5が全盛の頃、当たり前のように夏休みの宿題に手をつけなかった私は、8月30日になってオロオロ、オタオタしていた。
不良として「宿題なんざタリーんだよ!」という覚悟があったわけでは全くなく、ただ、何も考えていなかった。
ひと夏かけてデカいカマキリを探していた。
30を過ぎた今、自発的なカマキリ探しはやめたものの、先のことは考えていないままなのである。
もう教師に怒られる事こそないが、生活が立ち行かなくなるのだ。
怒ってくれる人もおらず、ただ没落していくのみである。
メソメソして、押入れから坂口安吾の「堕落論」を取り出し、こうなったら徹底的に堕落の道を歩もうと決めてページをめくる。
真正面から堕落を受け入れる難しさがそこには書かれてある。
「こんなん無理やわ」と、諦めに関しては一流の意思決定力で即、堕落の途を諦めた。
不良にも、オタクにもなれなかった自分をたまに確認する事がある。
まして真面目に生きるなんて、考えただけで眠たくなった。
そのくせ、「普通に生きるのは面白くなさそうだ」などと、努力ばかり嫌がって、ただ好き勝手に時間をドブに捨て続けて来た。
結果、楽しく生きてます。
(19x)MajiでKoiする5秒前 - 広末涼子 진심으로 사랑하기 5초전 - 히로스에 료코
楽しみを
古谷実さんの新しい漫画は2巻で終わった。
変わらず内容は面白く、ハッとさせられる言葉が沢山あった。
コーカサスオオカブトです。
まだ読んでいないけど、長尾謙一郎さんの「クリームソーダシティ」完全版も家に今日届いた。
仕事が終わるのをとても楽しみにしている。
2014年に打ち切りになった漫画「クリームソーダシティ」を、クラウドファンディングで資金を募り、続きを描くプロジェクトがあって、自分もその企画に乗っかり五千円を投資した。
正確な内容は忘れてしまったけど、投資額に応じて続きの本や特典(?)が送られてくる仕組みだったのですが・・。
何かしらの手違いなのか、単純に自分が住所を書き間違えたのか、15年11月に到着予定だった本は未だに届かないまま・・
クラウドファンディングが始まった頃、大阪のライブハウスにライブをしに来ていた長尾さんとお話しする機会があり、Twitterをフォローして頂いたので、こちらからダイレクトメールを送る事も出来るのだけど、もし自分が住所を間違えていたらと考えると自己責任なので申し訳ないし、、とか色々考えて完全版出版を待つ事になった。
そんな諸事情を胸に、分の厚い完全版を読み進めたい。
激安の殿堂ドン・キホーテを暇つぶしに歩いていた。
なんの目的も持たずにブラブラしてると見覚えのある靴が視界に入った。
この靴、明らかにadidasとカニエ・ウエストのコラボレーション企画で産まれた「YEEZY BOOST(イージー ブースト)」のパクりである。
分かりやすくプレミア化したこのスニーカーはヤフオクなどを調べると10万円とか、凄まじい高騰を見せている。
楽しくなってきて、早速色々履いてみる。
からの、衝動買い。
今年の夏のスリッパは1980円のパクリ靴に決定。