それはひと昔
お店にかけだしの芸人をやってる元バイト君が。
芸人さんも一二三屋のジャケットを着ている時代。
遊びに来ていた女子高生バイトたちがキャッキャッ言いながらはしゃいでるのを見て、「残ってたら良かった・・」と珍しく苦笑した彼は相変わらず表情の変化に乏しいナイスガイだった。
働いていた頃に組んでいたコンビは解散して、今は新しい相方との結成を目論んでるらしい。
舞台がある時は教えてとLINEを交換しておく。
味気のない生活からしばらく遠のいている。
別に何か特別なことをしているわけでもないけど毎日が楽しい。
地面の上で謳歌している現実的な交わりが続いている。
通り過ぎていく訃報、引退、逮捕。
井戸端会議を横目に流して今日も近所だったり、海沿いだったりを走り抜ける。
現実逃避の間は楽しいに決まっている。
それでも楽しく過ごすのです。
10年でお互いに変わった。
それだけがハッキリしている。