侘び寂びを喰う
また寒くなった。
はい。
2018年マイク・ミルズ監督作品「20センチュリー・ウーマン」を見た。
1979年、シングルマザーのドロシアは思春期のひとり息子ジェイミーの教育に悩んでいた。そこで家を間借りしているパンクな写真家アビーと、ジェイミーの幼馴染みジュリーに「複雑な時代を生きるのは難しい。彼を助けてやって」と共に教育することをお願いする。
映画館でポスターを見て気になっていた近日公開のホアキン・フェニックス主演「カモン カモン」の監督だと知った。奇しくも「エイス・グレード」と親子の性別が入れ替わったお話。
親子の問題を軸に女性と人生、女性と社会についても触れていく作品だが、映像がずっっっとオシャレでそっちに目が奪われてしまった。車、家、ベッド、服、画面の中の色合い、建物の内装、外装、配置、「映像の世紀」的な記録映像の使い方、全てがオシャレ過ぎ!監督は元々職業アートディレクターらしく、どのシーンもポスターにして飾れそうなくらい狂的に整理整頓された美しい画面が続く。
アネット・ベニング演じる母ドロシアは謎多き思春期の息子を知るためにパンクのライブに行ったり、ブラックフラッグを爆音で聴いて目を丸くしたりする。当然そんな熱い母親の愛情に気恥ずかしさと苛立ちを滲ませ、束の間の逃避行を繰り返すジェイミー。それでもドロシアは向き合い続け対話をやめないし、とにかく怒らない。表情を見てると今にも爆発しそうで、いつか怒り狂うんじゃないかと見ててドキドキする。如何な状況でも感情的にならず見守り、受け入れてやるのって難しいだろうな。我が父母も含め子育てしてる人を心底尊敬します。
パンク、ロックとジャズ、クラシックが交互くらいに流れるサウンドトラックも素晴らしかった。トーキング・ヘッズやバズコックスなどの選曲が映画で聞くと妙にオシャレなものに響く。アビーが着てたルーリードTシャツ、ジェイミーが着てた黄色のTシャツとミリジャケの合わせ方が好き。物語は母子の繋がりを描きながら、女性が手にした変わりゆく時代のムードを映す。個人的にそれがパンク音楽の姿勢と映画の中でリンクしてるように見えた。
とっても真面目なお話だからオクビにも出さないけど、思春期の中坊が美女2人に日夜教育されるって性癖が歪むだろうな。
劇中子宮頸がんのお話も登場するが、昨今HPVワクチンの話題を聞く事も増えた。
“子宮頸がんは撲滅できる”。
— NHK「クローズアップ現代」公式 (@nhk_kurogen) 2022年4月15日
“HPVワクチンは男性のがんも防ぐ”。
取材をするまで、子宮頸がんには知らないことがたくさんありました。#がんの誤解 で一緒に考えてみませんか?(藤松ディレクター)https://t.co/EhHOuQAC4o#みんなでプラス pic.twitter.com/fAKvGlivoJ
情報も次々と拡散されており、回避できた人が増えればいいなと思う。今日も最高の1日でした。明日はもっと最高の1日になるで!