人付き合いとは
数年前、同じ職場に働いていた子がお笑い芸人を目指して東京へ旅立った。
年に一度か二度戻ってきて話を聞かせてくれるのですが、
そんな彼からちょっとガッカリする話を聞いた。
お笑い芸人をしてると様々なお笑い人達と接触するらしく、
その中に「志村けんの元付き人」という方がおられたとか。
その人が言うには「テレビの中で優しそうな志村さんは嫌な人だった」と。
元付き人さんは優しくしてもらえると思ったのだろうか?
付き人や弟子と呼ばれる人は師匠に服従するのがルールだろう。
師匠となる人から食い扶持を分けてもらうという事からもそれは当然と言える。
しかしそれは隷属ではなく、尊敬から来る気高さがないとやれないと想像する。
無茶を言われてイラッとすることもあるだろうけど、
本人の前ではオクビにも出さないのはマナーなんじゃないだろうか。
お笑いの世界に入る人なら誰もが漠然と思ってる事かもしれない。
元付き人さんは「付き人になってでもご一緒させて欲しい」と思ったのではなく、
芸を、金を、運を俺にもよこせ!というタイプの人だったのかもしれない。
どうせ苦労話になるから 素顔は見せたくない。
『大変なんだな』と言われるのは嫌ですしね
とは本人談。
志村けんともなれば、過去に掃いて捨てるほど付き人志願を相手にしてきただろう。
氏も元はドリフターズの付き人だった。
ドリフターズと言えば、荒井注の脱退後に志村けんが参加した話が語られてるが
その当時だって語られないだけで有象無象の付き人達としのぎを削っていた筈だ。
下から這い上がってきた「出来る付き人」の目線を持っている氏にとって
自分の付き人が何を考えてるのかなど手に取るように分かるだろう。
「そんなに甘くない」とはよく言ったもので、付き人時代からそれは変わらないはず。
どんな職業も極みに達する人の少なさを思う。
※敬称略
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