-kemurikikaku-

ママチャリに乗った小っちゃいオッサンの日記

横揺れ

 

 

 

泥濘(ぬかるみ)という漢字を高校生の頃に仕入れて以来、気に入っている。

 

眠りに落ちていく瞬間、何か得体の知れない気持ちになって、体の機能が停止していく感覚は、沼になった布団に沈み、溶け込んでいくかのような異様な快楽がある。

 

機能が停止した身体はしばらく動くことを止める。

 

最後はそれが永久に続く。

 

 

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アメリカのラッパーNASは1stアルバム「illmatic」収録の「NY State of mind」の中で

 

"I never sleep, cause sleep is the cousin of death"

 俺は眠りこけない、睡眠は死の従兄弟だから

 

というリリックを書いている。

 

 

「ドラッグを売って生計を立てている身の上では、安眠する瞬間を持つことはできない」という、独特な死生観が垣間見える詩。

 

「寝込みを襲う」なんて言葉からも、寝ているときは死んでいるのとほぼ同じなのが分かる。

 

 

 

 

伊集院光さんは父親から「漫画を読もうと、ボケッとしてようと、何をしてても良いからなるべく寝るな」という教育を受けたという。

 

その結果、50歳目前の今でも3時間睡眠でなんとかなるんだとか。

 

歴史は夜作られる」という映画の通り、目を離せない出来事も真夜中に粛々と行われていたりする。

 

 

 

 

そんな事も知らずにグースカ寝ていた。

 

朝方まで起きていたのは確かだけど、起きている間に建設的な時間が1時間でもあったか怪しい。

 

ケタタマシイiPhoneからの音声で目がさめる。

 

ノッタリとした横揺れの大きな地震

 

寝ぼけたままの頭は電車の中にいるような、現実逃避をしながらハッキリしない。

 

 

 

 

間もなく地震は収まったが、外を生きる子供達、その親達の持つiPhoneもまたケタタマシク、時間差で鳴ったり、止まったりしている。

 

 

 

1000000回言われてると思うけど、震度5を超える地震が頻発してる状況で、iPhoneのお知らせ機能はパニックと判断力の両方を刺激してくるだろう。

 

小さい地震の内からあの不気味な音に慣れておくのは大切だと思うけど、何をするべきなのか、GPS機能から今いる場所で最優先事項を細かく教えてくれる機能が付けば、あの音で想起する不安の方は軽減されそうだ。

 

とは言え、安全確保のための確実な情報なんか出せるわけがないのだけど。

 

 

 

 

京都大学で教鞭を振るう火山学、地球科学を研究している鎌田浩毅教授は、来たるべく大災害において、我々がやる事は「自分の身は自分で守る」、家族など「目の前の3人を守る」ことだと仰っている。

 

身も蓋もないように聞こえるけれど、本当の極限状況をシュミレーションすれば、それが確かなんだと理解できる。

 

関西圏が大きな被害を受けるとされている南海トラフ地震は、和歌山方面、名古屋、静岡周辺がほぼ同時に揺れるらしく、これまでのデータを見合わせると向こう20年以内に確実にやってくるという。

 

東日本大震災の約10倍だと、これだけは記憶にとどめておいて欲しいと、強く断言された。

 

 

 

その地震で、およそ日本の人口の半分、約六千万人の人に被害があるだろうと続ける。

 

未曾有の大地震に向けて、悲観するのではなく、一人一人が今から出来ることを真剣に考えるのが大事で、尚且つ、今を生きることも忘れないでほしいという。

 

「私たち日本人は、元々揺れる大地に暮らしていたのだから、それを乗り越えるDNAを持ってるんではないか」という半ばヤケクソみたいな自負を持って、乗り越えてやろうじゃないかとも仰っていた。

 

 

 

そのくらい、ガチンコでヤバい地震は来ると最新の科学が予測している。

 

ゲームとは違い正解はなく、あなたの家の近所にある指定の避難場所が地割れで隆起し、とても安全に避難出来るようには見えない形状になっている事を目撃するかもしれないとまで、今から考えた方が良いのかもしれない。

 

 

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この平和な国でも、自然災害によって「睡眠は死の従兄弟」になる可能性があるようだ。