-kemurikikaku-

ママチャリに乗った小っちゃいオッサンの日記

ウロタトモカーオ

 

暴風雨にさらされた。

絞れば水の滴るズボンを見てレイコートの下を買うと決意せし。

 

2018年ジョナ・ヒル監督作品「ミッド90s」を見た。

 

1990年代半ば、母子家庭で兄と3人で暮らす13歳のスティーヴィーは力の強い兄にやられっぱなしで悔しい日々を送っていた。ある日街のスケートボードショップに出入りする歳上の少年たちを見かけ、彼らの自由奔放な振る舞いに憧れたスティーヴィーは仲間に入れてもらおうとする。

 

また好きな映画が増えて嬉しい。緊張感が漂う冒頭を見ただけで「面白い」と直感した。まだ声変わりもしていない、笑い声の愛らしいスティーヴィーは大人の言うことを素直に聞き、ありがとうが言えて、スーパーファミコンで遊ぶ子供。90年代半ばのロサンゼルスでスケートカルチャーを入り口に大人びていく少年の姿を追う、とかそういうの好きやな〜。

 

映画を見ていて体格も内容と酷似した兄との日々が懐かしくフラッシュバックした。神経質に整理された兄の部屋で、スティーヴィーが新しい文化に触れる感動が手に取るように理解できる。子供が家から外へ、好奇心に駆動され、戦々恐々ちいさな社会へ飛び込んでいく瞬間の勇気が映画になっていて興奮した。

 

自意識が肥大して殻の中の自分を自由の身だと思う兄イアン、周りのことをよく見て、しなやかに生きるレイ、10代の光り輝く刹那的な格好良さを体現するファック・シット。お兄ちゃん達の金魚のフンになり、真似をしてついてまわるスティーヴィーがとにかく可愛い。

最初はスティーヴィーの幼い表情がグラデーションで変化する様子に固唾を飲むが、スティーヴィーにとって外の世界の兄となるレイも、少しずつ大人になっていくのがドキュメンタリーのように自然。暑い日差しの下を吹き抜けた風の冷たさまで伝わってくる映画だった。

 

youtu.be

A-Z順のCDから漂う触れるなよオーラに笑った。兄が開けた扉を夢中で覗いて勝手に学ぶ。

 

なかなか書けずに別の映画を見て過ごした。ストリートカルチャーと人間ドラマの合わさった作風がずっと好きで、古くはナインティナイン主演「岸和田少年愚連隊」から、若い衝動が引き起こす危うさと眩しさの虜だ。今日も最高の1日でした。明日はもっと最高の1日になるで!